消費増税の影響や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による消費の落ち込みなど、先行きに不安を感じる2020年。収入の減少を心配している人もいるのではないでしょうか。

そんな中、2020年度の国民所得に占める税金・保険料などの負担の割合を示す「国民負担率」は、44.6%と過去最高になる見通しです。今の状況で負担が増えるとなると、ますます今後の生活が心配になってしまいますね。

とはいえ急に収入を増やすのは難しいので、ひとまず生活費を節約するのが現実的です。

筆者もこの機会にさらなる節約を考えてみましたが、食費や交際費といった変動費はすでに節約しています。残すは固定費の節約なのですが、住居費を減らすには引っ越しが必要ですし、ネット回線は変更したばかり。保険も最低限しか加入していないので、これ以上減らせません。

そこで目を付けたのが、固定費の中でも削減しやすく、毎月それなりの金額を支払っている「携帯電話料金」です。

「何となくイヤ」という理由で格安スマホを避けていたのですが、思い切って変更してみました。その結果、感じたメリット・デメリットを紹介します。

携帯電話の平均月額料金は約1万円

2018年に総務省が公表したデータによると、日本の移動系通信(携帯電話・PHS・BWA)の契約数は1億7,357万、携帯電話の契約数は1億7,009万となっており、国民1人1台以上の携帯電話を保有していることになります。

このように生活になくてはならない携帯電話ですが、総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2人以上の世帯(2018年)」によると、移動電話通信料の平均は年間12万6091円。つまり、1世帯あたり月1万円ほど携帯料金を支払っている計算です。

筆者の場合は1世帯どころか、1人で月8,000~1万円ほど支払っていました。15年ほど同じ大手キャリアを使っていたので、「これくらいかかるのが普通」という感覚だったのですが、この金額は当たり前ではなかったようです。

格安スマホで携帯電話料金が平均の3割弱に!

1世帯あたり月平均1万円ほどの携帯電話料金ですが、格安スマホの場合は状況が大きく変わってきます。

MMD研究所が実施した「2019年スマートフォンの料金に関する調査」によると、格安スマホ利用者の平均月額料金は2,753円と、平均の3割弱に収まっているのです。実際に筆者も格安スマホに変更したところ、月額料金が3,000円未満に下がりました。

しかし、これだけ料金が安くなるにもかかわらず、格安スマホの利用者はまだまだ少ないのが現状です。NTTドコモ モバイル社会研究所が実施した調査によると、スマートフォン利用者のMVNO※利用率は2019年時点で18.1%となっています。

※MVNO:Mobile Virtual Network Operatorの略。格安スマホ、格安SIMなどと呼ばれ、スマートフォンやタブレット向けにサービスを提供

これほど金額に差があるにもかかわらず、なぜ格安スマホに変えないのか、公的な調査結果は見当たりませんでしたが、ネット上の書き込みでは以下のような理由が多く見られました。

  • 格安スマホが何なのかよくわからなくて不安
  • 大手キャリアの方が安心感がある
  • 単純に変えるのが面倒
  • キャリアメールが使えなくなるのが困る
  • 通話やネット回線が不安定そう

筆者も上記の理由で格安スマホを避けていたので、気持ちはよくわかります。同じような理由で格安スマホを避けている人も、少なくないのではないでしょうか。

実際格安スマホってどうなの? 変更して感じたメリット

それでは、実際に格安スマホに変えた結果どうだったのか。結論からいうと「もっと早く変えればよかった」と思いました。

外食を我慢したり、今月は残りいくら使えるのかと細かく計算したりする必要もなく、ただ格安スマホに変えただけ。こんな簡単なことで毎月約5,000~7,000円、年間6~8万円ほど節約できるのは大きなメリットです。

実際に格安スマホに変えるまでは、「手続きが面倒では?」「通信速度が遅くなるのでは?」といろいろ心配もありました。ですが、格安スマホの実店舗で変更手続きをしたため、大手キャリア間での乗り換えと変わらず、大した手間はかかりませんでした。

電話番号も端末も、今まで使用していたものをそのまま使えますし、通信速度も問題なく快適に使えています。

格安スマホのデメリットは?

節約効果が高く、それなりに満足している格安スマホですが、デメリットはゼロではありません。1番のデメリットは、電話料金合算払いやキャリア認証ができなくなったことでした。

キャリアの乗り換え手続きにはそれほど手間はかかりませんでしたが、キャリア認証で利用していたサイトなどの登録情報を変更したり、支払方法を変更したりするのには手間がかかりました。

また、格安スマホは大手キャリアと比べて、実店舗数が非常に少ないというデメリットもあります。筆者の場合は幸い近くに実店舗がありましたが、もしなければネットで申込手続きをしなければなりません。

ネット申込みだと疑問があっても気軽に聞きにくいですし、自分でSIMカードを入れ替えるなどしなければならないので、携帯電話の知識が少ない人にとってはハードルが高いでしょう。

さらに、格安スマホの基本料金には通話料金が含まれておらず、通話時間に応じて料金が加算されるものが多いため、頻繁に通話する人はかえって料金が高くなる可能性があります。「仕事の電話が多いので、通話アプリが使えない」などという場合は、慎重に検討した方がよいでしょう。

おわりに

格安スマホに変えると、携帯電話料金がこれまでの3割ほどまで下がり、大幅な節約ができました。「何となくイヤ、不安」と感じていたことも、実際に変えてみるとそれほど心配することではありませんでした。

ただ、人によっては近隣に実店舗がなく手続きに手間がかかったり、大手キャリアを使っていたときよりも携帯電話料金が上がってしまったりするケースもあるでしょう。格安スマホにする際には、事前に手続きの方法を調べたり、変更後の金額をシミュレーションしておくと安心ですよ。

【参考】
「NHK NEWS WEB」(NHK)
「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成29年度第4四半期)」(総務省)
「家計調査(家計収支編)2人以上世帯(2018年):11 交通・通信~教育」(総務省統計局)
「2019年スマートフォンの料金に関する調査」(MMD研究所)
「スマートフォンユーザーのMVNO利用率は18.1%に(2019年9月25日)」(モバイル社会研究所)

吉田 貴絵