今回はリーマンショック以降では最大級の株価暴落である

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で世界経済が大打撃を受けるという懸念から、金融市場が大混乱に陥っています。特に、株式相場の大幅下落によって多額の損失を被った人が続出していると見られます。今回の急落を受けて、個人投資家はどう対応したらいいのかを考えてみます。

今回の株価急落は、「大暴落」という水準ではありませんが、十分に「暴落」と言えます。今回の株価暴落の始まりがいつなのか議論はあるでしょうが、たとえば日経平均株価で株式相場を振り返ってみると、わずか1カ月少し前の2月6日に付けたザラバ高値は23,995円でした。

その約5週間後の3月13日のザラバ安値は16,690円ですから、約▲7,300円下落。下落率にすると▲30%超と、滅多に見られない暴落であることは間違いありません。

ちなみに、2008~2009年に起きたリーマンショック時は1週間で▲24%下落しましたし、さらに昔の“ブラックマンデー”(1987年10月)は1日で▲15%の下落を記録しました。

株価指数でこれだけ下落したのですから、個別銘柄では同期間に半値近くまで下落したケースも少なくありません。また、今回は株式だけでなく、為替や原油など商品価格も大きく変動したのが特徴です。したがって、外貨預金や原油価格の派生金融商品等でも大きな損失を被った人が多いと推察されます。

日経平均株価の過去2年の推移

“2,000万円不足問題”で資産形成を始めた若年世代に打撃

今回の株価暴落で筆者が最も心配しているのは、まだ収入がさほど多くない若年層が多額の損失を被っているということです。特に、いわゆる“老後2,000万円不足問題”がクローズアップされた昨年夏以降、将来に向けた資産形成を始めたばかりという若年世代の精神的ダメージを深く憂慮せざるを得ない状況です。