筆者は、株式相場の急落は今後も必ず起きると考えます。今回ほどのマグニチュードではないかもしれないし、逆に、リーマンショック時のような激烈インパクトになる可能性もあります。間違っても“今回のような株価暴落はもう起きない”などと安易に考えないでください。

「今が絶好の買いチャンス!」には十分に注意を

さて、今回のような株価暴落時に必ず見聞きするのが「今が絶好の買いチャンスだ」という類の見解です。筆者も今回の株価暴落は、少なからず過剰反応であると考えており、早かれ遅かれ、どこかの時点で一定程度の反発が期待できると予想します。

しかし、反発するタイミングなど誰にも分かりません。実際、リーマンショック時の本格回復が始まったのは、発生から半年後(2009年3月半ば)でした。一方、長期化すると懸念された2018年末の急落相場は、年明け早々(2019年1月)に回復へ転じています。

今回の株価暴落を振り返ると、24,000円だった日経平均株価が22,000円へ下落した時、PBRが1倍の約20,700円へ下落した時、20,000円の大台を割り込んだ時、そして19,000円を割り込んだ時、必ずと言っていいほど“今は絶好の買い場”という見解が出てきました。

それどころか、24,000円の時ですら“まだ株価30,000円への過程に過ぎない”という主張があったくらいです。こうした見解を述べる人は、仮にそれが外れても基本的に責任を取りません。いつも知らん顔です。

一方で、暴落時は通常時よりも投資しやすくなることは確かです。ただ、暴落直後に投資する際は、まずは小金額・小ロットから始めるのが無難でしょう。

資産形成も投資の一つです。最後は全て自己責任であることを忘れずに取り組んでほしいと願います。

葛西 裕一