こう書くと、“これだけ暴落したのに、続けていいのだろうか?”と思う人もいるでしょう。そこで思い出して欲しいのは、積立投資のメリットです。

今回のような暴落はそう頻繁に起きないとは思いますが、全ての金融商品(株式や外貨など)は必ず価格の変動を伴います。定額の積立投資は、それを何十年という長期間続けることで、取得価格が相当程度均一化されて資産が形成されますが、これこそ最大のメリットと言えましょう。

相場が上昇したから月々の投資金額を増やしたり、下落したから減らしたりするものではありません。ましてや、今回のような暴落に怯えて、積立投資自体を止めてしまうのは大いにもったいないことと考えます。

金融商品の内容は見直してリスクを引き下げるのが妥当

ただし、毎月購入する(投資する)金融商品の内訳は、今一度見直す必要があります。銀行預金以外の金融商品には、多かれ少なかれリスクが伴いますが、そのリスクは可能な限り引き下げるべきです。

具体的には、ハイイールド債や新興国通貨のウエイトは下げる、あるいはなくすことを推奨します。また、ETF(上場投資信託)を含めた個別株式に投資している人は、1銘柄への集中投資(購入)ではなく、可能ならば、タイプの異なる2~3銘柄に投資するのが望ましいと考えます。

トレードを行っている人は、ハイリスク手法を根本から見直そう

一方、月々の積立投資ではなく、相場の状況を見ながらトレード(株式の売買等)をして資産形成に励んでいる人も少なくないと思います。これは個々の取引状況次第ですが、今回の暴落で大きな痛手を被った人が多数と推察します。

前述した通り、今般の暴落はリーマンショック以降では最大級でしたから、信用取引のようなハイリスク手法を行っている人では、追証の払込みができずに自己破産の申請を余儀なくされた人も決して珍しくないはずです。もし、幸いにも自己破産等に追い込まれていないのならば、手遅れにならないうちに、根本から見直すことを強く勧めます。