しかしながら、トイレットペーパーが不足するという誤情報はSNSでまたたく間に全国へ拡散されました。そして、週末2月29日(土)にはほぼ全国の店頭で商品が見られなくなり、多くの消費者がドラッグストアを“ハシゴ”したことが報じられました。

この間わずか3日、長く見積もっても4日です。これほどの短期間でほぼ全国のトイレットペーパーの店頭在庫が枯渇するのですから、まさしく“SNS恐るべし”というところでしょうか。

しかし、なぜこのような大騒動に発展したのでしょうか?

大多数の消費者は、最初はともかく、少なくとも途中から誤情報だと認識したと見られますし、必要以上に買い溜めするのがよくないことも理解していたと考えられます。

また、一連のマスク不足で見られたように、転売目的で買い占めた人もいたでしょうが、一時保有といえども相応に広いスペースを必要とするため、(少なくともマスクよりは)圧倒的に少なかったと推察されます。

一向に解消しないマスクの品薄問題で増大した政府への不信感

筆者が考える理由は、少し大げさに言うと、品不足に対するトラウマ(心的外傷)です。今回は2つのトラウマが推察できますが、その1つは、COVID-19による今般のマスク不足です。

深刻なマスク不足になった経緯の説明は省略しますが、その後も一向に改善の兆しが見られません。特に、2月12日の政府定例会見において菅官房長官は「早ければ来週(注:2月16日~の週)にも品薄状態は解消」と明言しました。