トイレットペーパー不足騒動の完全沈静化には時間を要する

さて、今回のトイレットペーパー不足騒動、徐々に店頭へ品物が供給され始めましたが、すぐに沈静化するでしょうか?

筆者が考えるには、マスクほどではないにせよ、騒動以前の状況へ回復するにはまだ時間を要するはずです。理由は、“念のために” “まさかとは思うけど”というある種の危機意識が強くなったことで、多くの消費者が当面は“買い溜め”に近い、必要以上の購入に走ると思われます。

また、前述した通り、マスクの品薄問題に関する政府への不信感も少なからずあるでしょう。こうして考えると、今回のトイレットペーパー不足騒動を解決するには、兎にも角にも、COVID-19の感染拡大を食い止めて、国民生活に目に見える形の安心感を与えることに尽きます。

解決に時間を要すれば、次はまた別の商品や食品が今回のトイレットペーパーと同様に品薄状態になる懸念が残ります。これは、東日本大震災でも見られたことです。

一度パニック状態に陥った消費者心理を通常状態へ戻すのは至難の業だということを再認識するべきでしょう。

葛西 裕一