ナイキ、リーボックも環境保護を意識

ヴィーガンの経済的な影響は食物だけではありません。動物由来の素材を使いたくないということで、最近は革や動物性の接着剤を使用しない靴や革製品の代替品も人気を集めています。

特に最近はランニングシューズなどの運動靴が人気のようで、ライフスタイルシューズだけではなく、本格的な運動にも耐え得る植物由来の素材が開発されています。2019年8月に、ナイキがエコフレンドリーな英ストリートファッションブランド「マハリシ(Maharashi)」と提携して開発したヴィーガンシューズ「Nike Air Max 90」を限定販売しました。

その後12月にリーボックが新製品として、上部はユーカリ成分の素材を使用し底部分は天然ゴムと唐胡麻などを使用した、完全に植物由来のランニングシューズ「Forever Floatride GROW」を発表しました。市場に出回るのは2020年の秋ということです。

2019年に市場調査会社の米NPDが実施した調査で、運動靴の主な消費者であるミレニアル世代や次のZ世代は環境保護への関心が高いということが分かりました。NPDのスポーツ産業部門シニアアドバイザー、パウエル氏は、調査回答者の約35%が値段が高くても環境保護を考慮した靴を購入すると答えたとCNN Businessに話しています(※3)。

2019年8月にはファッション業界の環境保護の取組み強化を目的とする「ファッション協定」も発足され、G7サミットで発表されました。仏マクロン大統領の要請により仏ケーリング社CEOが主導し、アパレル関連の有名企業約30社が加盟。ナイキやアディダス、プーマも名を連ねています。

また、ナイキは2030年までに自社からの二酸化炭素排出量を30%削減することを表明したということです(※3)。

ヴィ―ガ二ズムや代替肉の健康への影響については賛否両論です。ただ、環境問題が深刻化する中、若い世代がそれについて関心が高いことから、今後、ヴィーガ二ズムの経済への影響はさらに注目を集めるのではないでしょうか。

(※1)“Disney is adding Impossible to its menus”CNN BUSINESS
(※2)“The Vegan Economy”Bloomberg
(※3)“Vegan sneakers set to be next sustainable plant-based craze in 2020” CNN BUSINESS

美紀 ブライト