「家事・育児の分担」――これは共働き家庭が増える今、多くの人が避けて通れない問題の1つですよね。
夫婦の就業スタイルや家族構成、さらに得意・不得意などによって分担状況はさまざま。…と分かっていても、「ヨソのお宅はどうなの?」と、つい気になってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、夫婦の家事・育児の分担に関するデータをのぞいてみましょう。そして、どちらか一方のパートナーだけに負担をかけずに済む工夫や、大忙しの毎日を気持ちよく乗り切る方法などについて考えてみたいと思います。
“見える家事”と”見えない家事”って?
国立社会保障・人口問題研究所の「第6回家庭動向調査」では、妻の1日の平均家事時間は263分(平日)、284分(休日)となっています。過去2回の調査と比べ、妻は平日・休日ともに15分減り、夫は平日は31分から37分、休日は59分から66分、とわずかながら増えている、という結果が出ています。
また、ゴミ出し、日常の買い物、部屋の掃除、風呂洗い、洗濯、炊事、食後の片づけを週1、2回行った夫の割合は増加傾向にあるとのこと。
しかし同調査では、下のようなタスクを「普段語られることの少ない“見えない家事”」と定義し、妻の分担率について以下のような数字が出ています。
「食材や日用品の在庫の把握」 ・・・88.6%
「食事の献立を考える」 ・・・91.6%
「ごみを分類し、まとめる」・・・76.2%
「家族の予定を調整する」・・・63.1%
このデータ、どう感じましたか?
「トイレットペーパーがない!」とか、「園や学校の行事が重なって当日大慌て」なんてことが頻繁に起き困っちゃいます。みんなが普段通りの生活ができるのは、この「見えない家事」をしてくれる誰かのおかげなのかもしれません。
では、肝心の「分担」をどうするか。これについても考え方は人それぞれですよね。
「年収が低いほうが家事・育児をするべきだ」と考えている人も少なくないと思いますが、この考え方に不公平だと感じている人もいるはず。
家族による家事・育児は、ボランティア活動と同様に「無償労働」に該当します。次では、その「お値段」はどのように求めればよいのか見ていきましょう。