具体例を申し上げると、大会ボランティアのユニホームともに、都市ボランティアのユニホームを作製しました。このほか、ボランティアの愛称=ネーミングも大会ボランティア/都市ボランティアの投票により、「フィールドキャスト/シティキャスト」に決まったところです。
さらに、研修のコンテンツや配布物なども大会ボランティアと各自治体の都市ボランティアで共通して使っていただけるものを用意しています。ただし、これはあくまでも各自治体に「できるだけそろえていただきたい」という組織委からのお願いであって、強制的なものではありません。
――宮城県の都市ボランティアでは、用意されたユニホームのアイテムのうち、シューズの支給はないと聞きました。理由はそのあたりにありますか。
古瀬:今申し上げたように、ユニホームなどをどこまでそろえるかは各自治体に委ねられているので、宮城県が様々な事情を勘案の上、判断されたのだと思います。
コラム:宮城県の担当者に話を聞く
採用数を大幅に拡大し、より多くの人に復興五輪に関わってもらいたいと考えた(宮城県オリンピック・パラリンピック大会推進課 総務班長 後藤博道氏)。
宮城県では、東京2020大会において、宮城スタジアム(同県利府町)が男女サッカー競技の会場となります。同競技場への案内や、仙台空港やJR仙台駅などにおいて、観客誘導などで活躍していただく「都市ボランティア」は当初、1300人を予定していました。
しかし、応募数が目標を大きく上回ったことから、採用数も大幅に拡大し約2000人としました。それは、できるだけ多くの人に復興五輪に関わっていただきたいと考えたためです。
ただ、このため、都市ボランティアの皆さんに支給するユニホームの予算も当初の計画よりかなりオーバーしてしまいました。そこで、やむなくシューズの支給を見送らせていただくこととしました。
この件について本県・都市ボランティアの皆さんにご案内したところ、当初は「他の自治体の都市ボランティアなら支給されるものが、宮城県では支給されないのは、ボランティアの士気が下がる」といったご指摘もいくつかいただきました。
しかし、共通研修の場などでご説明をしたところ、最終的には納得していただき、現在は「大会の成功に向けて前向きに参加したい」といったコメントを多くのボランティアの皆さんからいただいています。
つづく:第4回は「ボランティアと派遣社員の間で混乱は起きないのか?」について(3月1日公開予定)
<これまでの記事>
第1回『東京五輪の謎:「パソナの派遣職員とボランティア、本当のところどう違うんですか!?」』
第2回『東京五輪の謎:「ボランティア不足だからパソナが派遣を募集してるって本当?」』
下原 一晃