東京オリンピックの開催まで半年を切ったというのに、いまだにボランティアの位置付けについては混乱があるようだ。私(ライター)は、大会ボランティアとして参加する予定だが、評判が悪いまま大会に参加するのは不安だ。そこで組織委員会に取材。ボランティア目線でかなり突っ込んだ質問もしたところ、意外な事実が見えてきた!
シリーズ第3回は、大会ボランティアと都市ボランティアはどう違うのか? 費用負担はどうなっているのか?という疑問を中心に聞いている。
取材に答えてくれた、公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の担当者は以下の通り。
総務局 ボランティア推進部 部長 兼 人事部 担当部長 傳 夏樹氏
総務局 ボランティア推進部 ボランティア推進課長代理 古瀬 浩一氏
総務局 人事部 採用課長 朱 賢太氏
<取材・文/下原一晃 フリーライター。東京五輪・パラリンピックに、大会ボランティア(フィールドキャスト)および、東京都の都市ボランティア(シティキャスト)として参加予定>
大会ボランティアと都市ボランティアは募集や運営を行う組織が異なる
――そもそもの話ですが、東京2020大会のボランティアには大きく「大会ボランティア(フィールドキャスト)」と「都市ボランティア(シティキャスト)」の2つがあります。何が違うのでしょうか。
古瀬:まず活動の場所、活動内容が異なります。大会ボランティア(フィールドキャスト)は、競技会場、選手村などの大会関係施設で大会運営に直接携わります。それに対して都市ボランティア(シティキャスト)は、空港・主要駅・観光地などで観客や観光客の案内などの活動を行います。大会ボランティアは約8万人、都市ボランティアは約4万6~7千人、計約12万人以上のボランティアに活躍していただく予定です。
さらに募集や運営も異なります。大会ボランティアは組織委が募集・運営を行いますが、都市ボランティアは、東京都をはじめとする競技会場が所在する自治体それぞれにおいて、募集・運営を行います。
――私は大会ボランティアに採用されるとともに、東京都の都市ボランティアにも採用されています。首都圏では、埼玉県、千葉県、横浜市、藤沢市などでも都市ボランティアが活動することになっています。
組織委の派遣社員とボランティアは所属する部門も違うとの話でしたが、都市ボランティアも各自治体が別々に運営しているということですか。
傳:はい、そのとおりです。