――なるほど、確かに、研修の案内のメールについても、大会ボランティア(フィールドキャスト)に関するメールは大会組織委員会から届きますが、都市ボランティア(シティキャスト)に関するメールは、東京都の都市ボランティア募集事務局から届くといった違いがあります。
しかし、東京都の場合、大会ボランティア、都市ボランティアの共通研修はいずれも渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで行われ、研修のプログラムも似ています。都市ボランティアは各自治体が別々に運営しているということであれば、研修を実施するコストも、組織委と東京都で別々に負担しているということですか。
傳:各自治体とは密接にコミュニケーションを取り、さまざまな面で連携を行っていますが、お金の面などは厳密に言うと、別々ということになります。同じ会場で行われている研修でも、大会ボランティアの研修を行うコストは組織委が負担し、都市ボランティアの研修を行うコストは各自治体が負担しています。
コストの負担だけでなく、そもそも何人のボランティアを募集し、どこで、どのような活動を行うのか、そのために必要な研修の内容などについても、最終的には各自治体の判断にお任せしています。
都市ボランティアは自治体によってユニホームが異なることも
――細かい話ですが、そうなるとユニホームなどのコストも各自治体が別々に負担しているということでしょうか。昨年7月には香取慎吾さんなども参加して、大会ボランティアおよび都市ボランティアのユニホームも発表されましたが。
傳:はい。ユニホームは、ポロシャツ、パンツ、シューズ、ハット、ジャケット、ソックス、バッグ、持ち帰りバッグの計8点を用意しています。大会ボランティアの方にはこれらすべてをご提供する予定ですが、都市ボランティアの場合、ご提供する内容は各自治体によって異なります。
――自治体によっては全部のアイテムが提供されるわけではないということですか。
古瀬:過去のオリンピック・パラリンピックの大会でも、大会ボランティアに加え、多くの都市において、観光地などで観客や観光客の案内などの活動を行うボランティアが活動しました。2018年に行われた平昌大会(冬季)でも同様です。東京2020大会でもそうですが、過去大会でもやはり都市ボランティアは各自治体で募集・運営を行うというスキームは変わらないところです。
とはいえ、東京2020大会では、せっかく都市ボランティアとして参加していただくのであれば、運営する主体が異なっても「オールジャパン」で大会を成功させるという目的は一緒だと考えています。そこで、「あなたは大会ボランティア、あなたは都市ボランティア」と区別するのではなく、できるだけ一体感を持って盛り上げていただきたいと考えてます。