猛暑が続く今年の夏。避暑のためにプールや海水浴で水遊びをする家庭も多いかと思います。

しかし、その際に着用する「水着」で事故が起きた事例がありました。

国民生活センターのホームページでは、「男児用水着のインナー生地を確認しましょう」(2021年7月15日発表)という内容を紹介しています。また報道資料でも同様の内容発表し、注意を促しています。

「水着のインナー生地」が理由で、どのような事故が起きていたのでしょうか?

本記事では、その事故の事例と、消費者へのアドバイスを併せてご紹介します。

また記事中では、消費者庁による令和7年版「消費者白書」より、最新の「消費者被害の推計額」についてもご紹介します。

※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
※今回ご紹介する内容は、独立行政法人国民生活センターの掲載許可を頂いております。

1. 【夏のトラブル注意喚起】男児用水着のインナーメッシュで痛々しい事故が発生

今回ご紹介するのは「定期購入」の商品に関するトラブル2例です。

実際に見てみましょう。

1.1 水着のインナーメッシュが起因する事例①:医療機関ネットワークより

内容:水着を着用してアスレチックで遊んだ。数時間後、水着が脱げず、よく見ると陰茎部の皮膚が水着に挟まっていた

内容:海水パンツを脱がそうとしたら痛みを訴え、陰茎部の皮膚の先が挟まって陰茎から出血していた

1.2 水着のインナーメッシュが起因する事例②:PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)より

内容:海水パンツのインナーのメッシュ生地に陰茎部の皮膚が挟まり、海水パンツが脱げなくなってしまった

内容:3歳男児の水着を脱がそうとした際、陰茎部の皮膚がインナーのメッシュ生地に挟まりけがをした

いずれも、男児用水着インナーのメッシュ生地に、陰茎部の皮膚が挟まってしまったという事例です。

次は、実際のアドバイスを見ていきましょう。

2. 【夏のトラブル注意喚起】メッシュ付きの水着を使用する場合、穴が空いていることが直ぐに分かるものは避ける

国民生活センターのホームページでは、こういった事例回避のため、以下のアドバイスをしています。

2.1 消費者へアドバイス:挟まってしまった場合も無理に取ろうとしない

内容:

  • インナーにメッシュ生地を使用した水着を子どもに着用させないようにしましょう
  • 水着のインナーのメッシュ生地に陰茎部の皮膚が挟まってしまった場合は、無理に取ろうとせず医療機関を受診しましょう

同センターが行った調査の報道発表資料によると、2010年に改訂された「子供用衣類の設計に関する安全対策ガイドライン」に、このような事故を防止するため、水着のインナー素材にはメッシュ形状素材は用いないことが記載されているそうです。

また、事例を受けメッシュを使用していない商品が広く販売されるようになってきた一方で、従来からのメッシュを使用した商品も販売されているそうです。

さらに、インターネットの普及により海外製品も簡単に手に入るようになりましたが、海外の製品は、日本国内のガイドラインが順守されておらず、事故発生の一因となっているとも伝えています。

同資料では一般的に穴が空いていると直ぐに分かる水着の例と、すぐには穴が開いているとわからない水着の例も写真を乗せて紹介しています。

また資料に「症例のものと同等の2mm前後のサイズの、穴が空いていると直ぐに分かるメッシュ生地が使われているもの」との記載があります。

国民生活センターのホームページでは、事業者への要望として「水着のインナーのメッシュ生地に陰茎部の皮膚が挟まれる事故の再発防止のため、インナーにメッシュ生地が使われている水着が製造、販売されないことを要望します」と記しています。

楽しい水遊びが、悲しい事故につながらないよう、水着を購入する際は、インナーの素材を丁寧に確認することが必要です。

またインターネット通販では、写真だけでは分かりにくい場合があるため、素材をよく確認する等、一層の注意が必要といえるでしょう。

3. 2024年の消費者トラブルによる被害額は9兆円という結果に

日々消費活動を行うみなさんにとって、決して遭いたくないトラブルが「消費者トラブル」。

しかし、2025年6月に公表された令和7年版「消費者白書」によると、2024年の消費者被害の推計額(既支払額)は9兆円にのぼることがわかりました。

消費者被害・トラブル額の推計結果(新手法による算出)4/5

消費者白書

出所:消費者庁「令和7年版消費者白書」

なお、2020年からの推移は下記のとおりです。

3.1 消費者被害・トラブル額の推計結果(既支払額・信用供与を含む。)

  • 2020年:約3.6兆円
  • 2021年:約5.6兆円
  • 2022年:約6.0兆円
  • 2023年:約7.9兆円
  • 2024年:約9.0兆円

2024年の金額が近年最高額となっていることがわかりました。

なお、既支払額(信用供与を含む。)ベースでの消費者被害・トラブル額の推定額は約9.0兆円ですが、この数字には誤差が含まれており、同基準の消費者被害・トラブル額は95%の確率で8.5~9.6兆円の幅の中にあると推定されています。

また推計結果の推移をみると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費の落ち込みの影響が考えられる2020年の約3.6兆円を除いて、だいたい5兆円から6兆円で推移していました。しかし、近年は増加傾向にあることが見て取れます。

また、消費者被害・トラブル額の推計結果の算出方法には、新手法と旧手法の2種類があります。

同白書によると、「旧手法」では、消費者生活相談情報(PIO-NETデータ)に含まれる、1億円以上の極端に高額な案件も推計に含められていました。そのため、発生自体が稀な高額案件が、推計全体に実態以上に大きな影響を与える可能性がありました。

そこで「新手法」では、消費者被害・トラブル額の推計は、1億円未満のデータに基づき行うこととし、相談案件が1億円以上のトラブルについては、推計には含めず、件数と総額を推計値に併記する形を取っています。

この新しい手法により、ごく一部の極端なデータが推計全体に影響を与えることを防ぎ、また実態により即した推計となりました。

なお、旧手法による2024年の消費者被害の推計額(既支払額)は9.6兆円と、新手法よりも金額が多くなっていることがわかります。

消費者被害・トラブル額の推計結果(旧手法による算出)5/5

消費者白書

出所:消費者庁「令和7年版消費者白書」

いずれにしても、最新の数字で9兆円にのぼる莫大な金額が被害・トラブル額として推計されている現在、消費者庁は誇大広告や偽表示を行う通販業者への行政処分、SNS広告による詐欺的副業の注意喚起など、迅速な対応を取っています。

参考資料