東京五輪の謎:「パソナの派遣職員とボランティア、本当のところどう違うんですか!?」

大会ボランティアのライターが組織委員会に突入取材!(1)

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東京オリンピックの開催まで半年を切ったというのに、いまだに「同じ仕事なのにパソナは有償で、ボランティアは無償」といったニュースを目にすることが多い。

私(ライター)は、大会ボランティアとして参加する予定だが、評判が悪いまま大会に参加するのは不安だ。組織委員会からの回答も見かけるけれど、なんだか煮え切らないというか。だったらいっそ自分で聞きに行ってみようと取材を申し込んだところ、受けてくれるという。ボランティア目線でかなり突っ込んだ質問もしたところ、意外な事実が見えてきた!

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取材に答えてくれた、公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の担当者は以下の通り。

総務局 ボランティア推進部 部長 兼 人事部 担当部長 傳 夏樹氏
総務局 ボランティア推進部 ボランティア推進課長代理 古瀬 浩一氏
総務局 人事部 採用課長 朱 賢太氏

<取材・文/下原一晃 フリーライター。東京五輪・パラリンピックに、大会ボランティア(フィールドキャスト)および、東京都の都市ボランティア(シティキャスト)として参加予定>

準備フェーズからすでに多くの派遣職員が活躍

――まず、皆さんの組織委員会における役割についてお聞かせください。

:私は、総務局の人事部採用課という部署に所属しており、組織委員会(以下、組織委)の職員採用を行っています。組織委はパートナー企業からの出向者も多いため、パートナー企業からの出向調整も含まれています。

:私と古瀬は、朱と同じ総務局ではありますが、その中のボランティア推進部という部署に所属しています。ボランティア推進部は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)の大会ボランティア(フィールドキャスト)の募集、面談、研修、さらに実際の活動に向けてボランティアプログラムの運営を行っています。

――早速ですが、パソナグループ(以下、パソナ)が2019年11月、東京2020大会において派遣契約で働くスタッフ約2000人を募集する広告を求人誌「タウンワーク」に掲載しました。

そうしたところ、「同じような仕事なのに、派遣契約によるスタッフは時給1600円と有償で、大会ボランティアは無報報酬で差がある」と注目されました。大会ボランティアの中にも戸惑っている人もいるようです。

:ご説明が足りず申し訳ありません。まず前提として、組織委では直接契約の方も派遣の方も出向の方も「職員」として働いています。その中で大会ボランティアの活動と組織委のスタッフとして働く職員の仕事は同じではなく、実際にはかなり異なります。

たとえば活動する期間です。東京2020大会は、開催に向けた準備をする準備フェーズと、実際の大会運営に関わる大会フェーズに大きく分けることができます。準備フェーズでは文字どおりあらゆる準備が必要です。

大きなところでは競技場の建設もその一つです。実際の建設は建設会社が行いますが、その仕様の決定、工事の進捗管理や資金管理などは組織委の職員が行います。ほかにも、競技用の備品のほか、車両、機材、さらにはサービスの調達も行います。
 
備品などを調達すれば、それに対する支払いをしなければなりません。経理部門もあって一般的な企業と同じように、ExcelやWordなどのスキルが高い派遣職員もたくさんいます。

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下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。