大会フェーズで、派遣職員はマネジメントなどを担う

――準備フェーズでは確かに、機材や備品の調達などの仕事もあって、大会ボランティアの活動とはかなり違うことはわかりました。そもそも準備フェーズには大会ボランティアはほとんどいませんので、同じ仕事(活動)ではなさそうです。

しかし、大会フェーズになるとどうですか。パソナの広告を見ると、大会ボランティアの活動内容と似ているように思えます。

:これもご説明の仕方がよくなかったと反省しています。大会時職員の仕事をわかりやすく伝えようと、業務の様子をイラストで表現したのですが、同じユニホームを着て一緒に活動している様子を描いたため、派遣職員があたかも大会ボランティアの活動と同じ仕事をするように感じられた方が多かったようです。

実際は、派遣職員が大会ボランティアと同じ場所で仕事をすることはあっても、ボランティアと同じ活動をすることはありません。

組織委員会 総務局 人事部 採用課長 朱 賢太氏

――派遣職員とボランティアが「同じ場所で仕事をすることはあっても、同じ活動をすることはない」とはどういうことですか。

たとえば「トランスポート」という活動があります。大会関係者や観客の輸送に関する活動です。ボランティアはおもに車両の運転(移動サポート)活動を行うことになっています。そこでのボランティアの活動と組織委の派遣職員の仕事の違いは何ですか。

:組織委の派遣職員は原則車両の運転は行いません。輸送に関する管理・運営をするのが仕事です。

具体的には、大会期間中、いつ、どこで、どれだけの移動サポートのニーズがあるのかを関係各所にヒアリングしたり、そのために必要な車両やドライバーとして活動いただくボランティアにお願いをしたりシフトの作成など行ったりします。

さらにボランティアが実車している最中には、GPSで車両の位置のモニタリングを行い、渋滞が発生して会場などに着く時間が遅れそうになれば、各所に連絡をすることもあります。

大会期間中はボランティアが運転する車両だけでなく、バスなども含めてさまざまな車両が運行します。職員万一これらに事故が起こった場合などにはその一次対応を行います。