目に見える現象という意味では、中国製の部品が入手できずに日本国内の工場が稼働中止に追い込まれた、といったニュースも目をひきます。しかし、これも影響は限定的です。

そもそも経済を動かしているのは需要であって、需要さえあれば、供給できなかった分は後日の大増産で供給されるでしょうから、大きな問題にはならないはずです。

怖いのは、中国の新型肺炎自体は数カ月で沈静化するとしても、部品メーカーがその間に倒産してしまって部品が永遠に入手できなくなってしまう可能性です。

それに関しては、メーカーもリスクを認識しているでしょうから、部品メーカーの資金繰りを支援したり、他国の部品メーカーで代替する手配を進めたりしているでしょう。何とかなるはずだ、と信じましょう。

日本人の需要が落ち込むのが怖い

日本人が新型肺炎を恐れて行楽に出かけなくなるとすれば、あるいはイベントの中止などで外出機会が減れば、人数が圧倒的に多いので、そちらの方が外国人観光客の減少よりずっと問題です。行楽需要は、消えるとそのままですから。新型肺炎が収束した後になっても、「先月は行楽に行かなかったから、今月は2回行こう」ということにはなりにくいのです。

したがって、半年間の行楽需要が失われたままとなり、景気は後退するでしょう。しかし、半年後には、行楽需要も戻り、景気も回復するはずです。