新型肺炎の流行が半年程度で収まるならば、日本経済への打撃は限定的だろう、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は考えています。
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新型肺炎の流行がどこまで広がるかわからないので、現時点で影響を語るのはリスクが高いですが、本稿は「中国を含め、海外でも日本でも、今後の流行はそれほど広がらずに抑制され、半年程度で収束する」という前提で考えてみましょう。
目に見える事象に囚われない
中国からの観光客が激減し、「爆買い」が減っていることや観光地がすいていることなどが報道されています。こうした現象は、狭い範囲に集中的に出るために、目に見えやすいので、マスコミも取材しやすく、記事にもしやすいわけです。
しかし、日本経済全体に占めるウエイトはそれほど大きくないので、過度な懸念は不要です。仮に今後、日本が「汚染地域」として海外からの来訪者が一切来なくなったとしても、GDPの1%が失われるだけですから。
「観光立国」という掛け声は結構ですが、日本経済の規模を考えれば、外国人観光客の需要で全体が左右されるようなことにはならないのです。目に見える物の影響は大きく感じられますが、全体像をイメージして見ることが重要ですね。