日本映画が忘れられてしまう前に

日本映画界の現状について、今、日本を代表する名監督、是枝裕和監督は、「良くも悪くも、日本映画は国内のマーケットだけで投資を回収できる可能性がある。なので、海外に出て行こうとする意欲が作り手にも配給会社にもありません」と現代ビジネスウェブ版のインタビューで述べています(※)。

是枝監督は更に、「そうなると企画が国内で受けるものに特化してくる。この状況に強い危機感を感じます」、「40歳以下の若手映画監督の名前を海外で聞くことは、ほとんどありません。このままでは、日本映画自体が世界から忘れ去られてしまう」と懸念を示しています。

是枝監督、黒澤明監督、小津安二郎監督といった映画史を代表する名監督の名作に魅かれた日本映画ファンが世界中に大勢存在し、新しい作品にも興味を持っているというのに、製作しても世界に公表せず、埋もれさせてしまうのは非常に勿体ないです。

著作権、収益の分配など色々とビジネス上の規制があることとは思います。しかし、積極的に世界に広めていく手段を考えていかなければ、是枝監督が懸念するように、本当に日本映画は忘れ去られてしまいます。

まずは世界中の日本映画ファンのリクエストに応えるためにも、配信サービスが浸透した今、韓国のようにもったいぶらず、有名無名問わず、様々な作品に英語字幕をつけて配信することは出来ないものでしょうか。

世界中で観られるようになれば、役者にも、若手監督にもやりがいがでて、日本映画界が活気あふれるのでは。

今回、韓国に先を越されたことをきっかけに、日本映画業界のやる気に火がついてくれることに期待します。

【参考】
(※)「邦画大ヒットの年に是枝裕和監督が「日本映画への危機感」を抱く理由」現代ビジネス

美紀 ブライト