老後に向けた資金の準備

「老後の生活費を準備できるのだろうか…」と悩んでしまう方もいるかもしれません。それでも、資産の運用であれば退職後も継続して取り組むことができます。個人型確定拠出年金のiDeCoや少額投資非課税制度のNISA、つみたてNISAなどのように、節税対策にもなる資産運用の制度も登場しているので賢く利用しましょう。

iDeCoは年間上限額以内の掛け金が全額所得控除となり、利息や運用益も本来約20%の課税部分が非課税扱いとなります。また、資金を受け取る際、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金形式で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されるなど、税制面の優遇がメリットです。

NISAも同様に投資信託の運用益が非課税になる制度で、「一般」と「つみたて」のどちらかを選択します。資金使途は自由で、いつでも引き出し可能な制度です。年間一定枠内までが非課税対象となります。

・「一般NISA」…年間120万円限度×5年間(最大600万円まで)
・「つみたてNISA」…年間40万円限度×20年間(800万円まで)

また、勤務している方が退職する際には退職金が受け取れる場合があります。平均的な退職給付額が年々減少しているという面もあるため決して楽観はできませんが、退職金や社内預金等を老後資金に算入することは可能です。退職金で住宅ローンを清算する予定がある場合は、できるだけローンの繰り上げ返済を行うなど、老後を見据えた行動を起こしておきましょう。

さいごに

数十年にわたる老後に備えていくには相応の時間をかけて準備していく必要があります。現在の資産やローン等の負債を見直したり、住居費等の大きな必要経費を想定して、老後に向けた計画も進めておきましょう。

生前に身辺を整えておくことも、十分、老後生活の準備になります。資金の面と暮らしやすさの両方を改善していくことで、安定した老後を目指していきましょう。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧日本郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部