新型コロナウイルスの広がりや肺炎への影響がはっきりと見通しにくい中、今後の景気への影響が懸念されている。今年は東京オリンピックも開催されることになっているが、今後の状況の展開次第では、そちらへの影響も軽視できないであろう。今後予想される影響について可能性ベースで考えてきたい。
新型コロナウイルスを厚生労働省はどうみているのか
厚生労働省によれば、新型コロナウイルスは「ウイルス性の風邪の一種です。発熱やのどの痛み、咳が長引くこと(1週間前後)が多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える方が多いことが特徴」としており、その潜伏期間は、1日から12.5日、また多くは5日から6日とされている。
また、新型コロナウイルスは飛沫感染や接触感染によりうつるとされており、重症化すると肺炎となり、死亡例も確認されている。特に、年配や基礎疾患のある人は重症化しやすいとの指摘もされている。
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新型コロナウイルスは潜伏期間が場合によっては長いということもあり、今後の影響度合いは現時点でも測りかねているというのが実際ではないだろうか。
新型コロナウイルスの国内経済への5つの影響とは
新型コロナウイルスの広がりによって起こりつつあるのが、主に以下のような内容ではないだろうか。
大きくは5つに整理されるとみている。その5つについて見ていこう。
- 外出の自粛
- Eコマースの利用
- リモートワークの促進
- 外国人旅行客の減少
- イベントの中止
こうしたことはすでに多くの方が目にしているかもしれないが、今後の状況次第ではさらにその程度が増していく可能性も高い。
外食や小売店にネガティブな影響
そうなってくると、外食やリアル店舗を持つ小売店の既存店などにはネガティブに働こう。もっともドラグストアなどは、マスクは品切れかもしれないが、殺菌や消毒薬やせっけんなどの予防グッズが好調になる可能性は高い。
EC(Eコマース)は一時的に売上かさ上げか
また、Eコマース企業の業績は外出を控える人が増えることで一時的にかさ上げされる可能性は高い。もっとも配達されるときに人との接触はある程度避けられないため、完全に感染を回避することはできない。
しかし、不特定多数の大人数がいる場所に出向くということは避けることは可能だ。
リモートワークは大注目に
大手IT企業などは今回の新型コロナウイルスの広がりを懸念し、すでにICTを活用してリモートワークを推進しているケースも出てきている。しかし、そのケースは大部分というわけではない。
リモートワークを行える準備をしてきた企業だけがスムーズにその環境にシフトしているともいえよう。今後の新型コロナウイルスの広がり次第でもあるが、目の前にあるその感染リスクを背景に今後、リモートワークの環境整備が進む可能性は高い。その際に注目されるのが、SlackであったりZoomであったりするというのは誰もが想像しよう。
インバウンド需要が壊滅的に
さて、国内でもっとも懸念されるのは、外国人旅行客の減少ではないであろうか。外国人旅行客による消費などは、インバウンド需要とも呼ばれ、GDP統計上は輸出に該当するが、国内消費の刺激要因であった。
中国人を中心に日本への旅行客が減少することで、消費に対してネガティブな影響が予想される。最近では欧州、米国、カナダなどの旅行客のキャンセルも報告され、中国だけではなく、世界中からの来日が減少するのではないかと懸念されている。
イベント中止などの緊急事態
そもそも2020年の東京オリンピックにおいては、インバウンド需要はかなり期待され、それに合わせてホテルなどの宿泊施設やイベント施設の準備も進められてきた。
しかし、それが、現在の状況次第では、当初の予想通りの来日数を確保できるかどうか不透明な状況となってきている。
すでに2020年3月に開催される東京マラソンも一般参加を見送る形で進められていると報じられている。今後もイベント主催者によってこうした判断を迫られるようなイベントも増えてこよう。
東京オリンピックの開催においても、今後も新型コロナウイルスの拡大が沈静化するかどうかで判断の方向性、行方が変わってこよう。
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2020年の株式市場をどうみるのか
では、今後の株式市場をどう展望するべきなのであろうか。
基本的には、新型コロナウイルスやその影響による肺炎の株式市場を見通すには、しばらく悪材料を直視する必要があるであろう。
現在の状況の各企業の業績への影響を直視するのは、現時点を考えれば、3月期決算の企業であれば、4月末から5月中旬までの通期の業績決算発表が中心となろう。
もっとも、小売業のように月次売上高を発表している企業であれば、まずは2月の業績がどこまで落ち込んでいるのか、またECを展開している企業やそのサポート企業であれば足元の状況が分かるケースであればそれらが注目点となろう。
また、3月決算企業の2020年度の決算見通しも基本的には保守的に見通す企業が多くなり、ガイダンスも横ばいや減益予想を行う企業が増えてくると予想される。そうした中、株価が上がりにくくなるというのはメインシナリオとしてみておかなければならないであろう。
米国の大統領予備選挙や新型コロナウイルスの影響と株式市場
米国の大統領予備選もあり、今年はある程度安定した株式市場の動向を予想していた向きは東京オリンピックまでは株価は堅調かな?と思ったかもしれないが、アジアを中心にその前提が崩れつつあるということは考慮しておくべきであろう。
世界の製造業の中心ともいえる中国、そして日本で新型コロナウイルスの影響が無視できなくなっている中で、米国株だけが好調であり続けるということは考えにくい。
製造業においても、これは国内外を問わずであるが、いったんは積極的な設備投資に打って出るというスタンスはとりにくいであろうし、しばらくは静観ということになるであろう。
そうした各企業の意思決定はさらにそれ以外の産業へのマイナスのインパクトとなり、さらに消費や設備投資を冷やす要因となる。株式投資へ積極的なスタンスをとるのはもう少し先という姿勢でよいかもしれない。
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