子育ては「助けを求めること」が当たり前になるべき

それから筆者は、困っていたら周囲の人に助けを求めるようになりました。もちろん「体力に自信がなくて」「急いでいるので」と断られたことも、嫌そうな顔をされたことも何度もあります。しかし、筆者はそういう反応にいちいちショックを受けたり「子連れやベビーカーを邪魔者扱いして!」と怒りを抱いたりすることはなくなりました。

電車内や駅で子連れやベビーカー移動の親を煙たく思う人は、おそらく絶対に減らないと思うからです。どんなに周囲に気を配ろうと、「子連れは苦手」「ベビーカーが電車内で場所を取っていて気になる」と思う人の感情や気持ちは他人が「おかしい!」と否定できないもの。その感情によって子連れやベビーカー移動の親を差別したり攻撃したりしなければ、別にいいと思います。

そういう人たちに何かを強制したり非難したりするよりも、今自分が困っていることを助けてくれる人を探す方が現実的かつ建設的ではないでしょうか。

子育てで困っている時には自分一人で抱え込まず、他人に助けを求めやすいことはベビーカーに限らず絶対に必要です。ママ友もあの時は、後ろの人や目の前の人にすぐ助けを求めることができず自分でどうにかしようとしたのは、そういう「自分でなんとかするべき」という意識が彼女の中に強くあったからからではないか、とも思いました。

子育て当事者が誰かに助けを求める状態が、当たり前になること。大きなベビーカーを買ったからこそ、電車内でのベビーカー移動に限らず、そんな子育てにおける重要な要素に気付くことができました。

富士 みやこ