そして、翌週の週末、つまり、1月31日(金)~2月1日(土)には既に全国的な品不足に陥ったと考えていいでしょう。この間、わずか1週間強でした。こんな短期間で日本国内のマスクが姿を消したというのは、まさに異常事態です。

中国人観光客による爆買いが品薄の原因なのか?

このように振り返ってみると、中国からの訪日観光客がマスクを“爆買い”したことが、品薄の最大要因と考えがちです。しかし、本当にそうでしょうか?

確かに、中国人による爆買いが最大要因の1つではあるでしょう。しかしながら、1月25日に発令された中国政府による団体ツアーの禁止命令により、中国からの観光客は昨年比で▲40~▲50万人もの減少が試算されており、一説では▲70万人以上の減少という見方もあります。

個人旅行等で来日した中国人が爆買いしたとしても、ここまで品薄になるものでしょうか?

花粉症シーズン開始に向けて高水準だったと思われるメーカー在庫

また、注目すべきは、マスク業者(主にメーカー)の在庫が高水準であったと推察されることです。

日本国内におけるマスクの最需要期は、花粉症が本格化する3月~4月です。実際には2月上旬からスギ花粉の飛来が始まることを勘案すれば、1月末に相応の在庫があったと考えるのが普通です。この在庫分を、大幅減少となった中国からの訪日観光客が全て買い漁ったというのは、現実的ではないでしょう。