7月25日に公表された厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」によれば、日本の平均寿命は男性81.09歳、女性で87.13歳となりました。
前年と比べてほぼ横ばいですが、女性は40年連続で平均寿命が世界1位。
男性は024年はスウェーデン82.29歳、スイス82.2歳、ノルウェー81.59歳、イタリア81.436歳、スペイン81.11歳に次いで世界で6位となっています。
長いであろう老後生活ですが、セカンドライフでやりたいことを考える一方で、昨今の物価高ではお金面の心配をされる方もいるでしょう。
一般的な年金受給開始年齢は65歳から。今回は65歳以上に視点をあてて、その生活費や年金月額、貯蓄額といったお金事情をみていきます。
1. 65歳以上・無職世帯の「月の生活費」まとめ
総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、標準的な65歳以上無職夫婦世帯の家計収支は、ひと月約3万4000円の赤字となりました。
1.1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)
毎月の実収入:25万2818円
■うち社会保障給付:22万5182円
毎月の支出:28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
- 食料:7万6352円
- 住居:1万6432円
- 光熱・水道:2万1919円
- 家具・家事用品:1万2265円
- 被服及び履物:5590円
- 保健医療:1万8383円
- 交通・通信:2万7768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5377円
- その他の消費支出:5万2433円
- うち諸雑費:2万2125円
- うち交際費:2万3888円
- うち仕送り金:1040円
■うち非消費支出:3万356円
- 直接税:1万1162円
- 社会保険料:1万9171円
毎月の家計収支
- 3万4058円の赤字
この世帯の場合、毎月の収入は25万2818円、そのうち約9割(22万5182円)が公的年金などの社会保障給付となっています。
一方で支出の合計は28万6877円。そのうち消費支出(いわゆる生活費)が25万6521円、非消費支出(税や社会保険料など)が3万356円でした。
この夫婦世帯の場合、毎月3万4058円の不足分を、主に貯蓄の取り崩しなどで補填していくことになります。
なお高齢者世帯は持ち家率が高い傾向にあることから、「住居費」は1万6432円と低くなっています。賃貸住宅に住む場合は、家賃との差額を上乗せして考える必要があります。
また、上記の支出項目には「介護費用」が含まれていない点にも留意が必要となりそうです。