彼らはどのような実験をおこなったのかというと、まず学生を複数人集めてそれぞれに5~20ドルを渡しました。

その後、学生を2つのグループ(Aグループ・Bグループに分けたとします)に無差別に分けて、渡したお金についてAグループには「自分自身のために使う」ように指示を出し、Bグループには「他人のために使う(向社会的支出といいます)」ように指示を出しました。また、どちらのグループも当日中に使い切るようにとしました。

そこでお金を使う前と後で幸福度を計測し比較した結果、お金を「他人のために使う」ように指示されたBグループの学生の方が、Aグループに比べて幸福度が高まっているということが分かったのです。

しかも、学生には5~20ドルと金額の幅を持ってお金を渡したものの、金額に大小に関わらずBグループの学生の幸福度は上昇していました。

きっと「より多くのお金を使った方が幸福度は高まるのでは?」と思った方もいらっしゃるでしょう。そう思ったのはノートン氏やダン氏も同じで、「予測は間違っていた」と彼らは述べています。

実験から個人や組織は自分自身のためにお金を使うよりも、他人のためにお金を使った方が満足度や幸福度はより高まるということが明らかになりました。