子どもの海外旅行をためらう親
ある冊子記事で、こんな発言を目にしました。
「あらゆるところに子どもを連れていきたい。ただし国内まで。海外は、大人になって行くところのような感覚があるから」
発言者は放送作家で、かなりの売れっ子です。記事によれば、結婚以来、子どもが欲しくてたまらないのに恵まれず、諦めたころにやっと誕生したひとりっ子。
仕事を長期休業して自ら育児をし、幼稚園の送り迎え、有名観光地から近所のスーパーマーケットまで連れていくなど、かわいくてたまらない様子が伝わってきました。
親ばか!? とまで思わせる子育てぶりなのですが、海外の話になったとたんに歯切れが悪くなるのです。
海外旅行に行ったことがないのは、我が子だけ?
放送作家さんが子どもの海外旅行をためらう背景には、こんな親心があるようです。
「海外は、自分で稼いだお金で行くところだというのがある。親の金で行ったら、自分で稼いで行けたときの感動がなくなるようで」
我が子のためならどんなことでもしてあげたくなるのが、親心というものです。何でもしてあげることが本当に我が子のためになるのかと考えるのも、これまた親心というものです。
いくら親に力があったとしても、親の力を自分の力だと勘違いするような大人になってもらっては困りますから。