中高生になると、自分の部屋を欲しがることもよくあります。

「兄ちゃんと一緒の部屋だから、友だちを呼べない。いつも友だちの家に行ってるんだから、たまには僕も呼ばないと立場がなくなる」

気持ちはいやというほどわかります。しかし、兄弟がいる部屋に呼んでもいいし、兄と交渉して部屋を空けてもらう方法もあります。こうした知恵やテクニックを習得する場でもあるのです。発明や発見は、「不便」から生まれるといいますから。

「よそはよそ」で、子どもの個性を伸ばす

大人の社会も例外ではありません。日本人への殺し文句は、「みんなやってるよ」だというエスニックジョークがあるくらいです。

日本社会は、みんなと同じにすることで、よけいなトラブルや疎外感、失敗を免れてきたことは否めません。空気が読めないヤツと言われずにもすみます。と同時に、能力をつぶしている面もあるように思います。

「みんなと同じ」というのは、その分、ライバルが多いということでもあります。AIが人間の職を奪うと言われる時代ですから、みんなができることはAIにもできないとは思えません。

この際、「よそはよそ」の考えで、我が子の「みんなと異なる」面を見つけ、伸ばしていくのもありかもれません。どこから「よそ」かの線引きは、親の子育てセンスしだいではありますが。

間宮 書子