百貨店業態はもう限界!? インバウンド需要も不透明、大きな試練が待っている

駅前で集客するビジネスモデルは、もはや崩壊

こうした百貨店の経営悪化の背景を「少子化・人口減少」だけで片付けることはできません。それが一因であることは確かですが、今回の大沼の破綻を見るまでもなく、もはや小売り業界で「百貨店」(デパート)という業態が限界に達していると言えましょう。

30年前のバブル崩壊以降に顕著となった専門店や大型ショッピングモールの台頭により、消費者は郊外店舗へクルマで行く時代なのです。

しかし、多くの百貨店、とりわけ地方の百貨店は、このトレンドを読み切れなかったのかもしれません。実際、さくら野百貨店(仙台店)も大沼も、当地では一等地の目抜き通りにあり、駅から徒歩数分という恵まれた立地でした。

駅前は集客に有利という考え方は、”石器時代の遺物”のようなものかもしれません。

頼みのインバウンド需要も先行き不透明

こうした百貨店を取り巻く環境の悪化が、昨年の消費増税で加速していることは確かです。

しかも、それを少なからずカバーしていたインバウンド需要(訪日外国人観光客)も、今般の新型ウイルス肺炎の影響で先行きが見え難くなりました。東京五輪後のインバウンド需要も不透明です。

今年は、大手百貨店を始めとする各社の地方店舗の閉店が予定されています。しかし、現在の収益環境が続く、あるいはさらに悪化するならば、大沼のような地方百貨店の経営破綻のみならず、大都市近郊でも店舗閉鎖に踏み切る大手が出てきても不思議ではないでしょう。

2020年は、コンビニだけでなく、それ以上の試練を迎える百貨店にも注目すべき年です。

葛西 裕一

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国立大学卒業後、国内・外資系の金融機関にて23年勤務後に独立。証券アナリストなどの職務を経験し、ファイナンシャルプランナー関連等の金融系資格を多数保有。専門は株式投資、貴金属投資、年金、相続、不動産。