百貨店業態はもう限界!? インバウンド需要も不透明、大きな試練が待っている

閉店セールも行えず唐突に店舗を閉めた「大沼」

1月27日、山形県の地場百貨店「大沼」が破産を申請し、創業320年の歴史を閉じました。大沼の創業は江戸時代の1700年(元禄13年)。全国で3番目に古い歴史を誇っていました。

しかし、折からの消費低迷や人口減少等により経営悪化が続きました。2年前の2017年12月には創業家が投資ファンドへ経営を譲渡して再建を図りましたが、その投資ファンドの資金問題が発生。

その後、経営権を取り戻した上で、山形市一体となった“買い支え”運動を展開しましたが、市民からの反応は芳しくなく、今回の経営破綻に至ったようです。

今回の大沼の経営破綻では、注目すべき点が2つあります。

1つ目は、店舗閉鎖が唐突に訪れたことです。理由は資金繰りの悪化です。普通、百貨店の店舗が閉鎖する時は、「感謝売り切り」や「閉店御礼売り出し」など何らかの名目や形で閉店セールを行います。

これは、「長年ご愛顧いただいたお客様に対する感謝」というだけでなく、在庫商品の整理を行って取引先や下請け業者等への支払い原資を確保するという意味でも、非常に重要なイベントなのです。その必要不可欠なイベントを告知する間もなく、突然の閉鎖を強いられたわけですから、いかに資金繰りが厳しかったかがうかがえます。

各種報道によると、取引先への27日の支払が困難になったとのことですが、金融機関から“つなぎ融資”を拒否されたことは想像に難くありません。これは、大手百貨店では考え難い事態と言えましょう。

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。

国立大学卒業後、国内・外資系の金融機関にて23年勤務後に独立。証券アナリストなどの職務を経験し、ファイナンシャルプランナー関連等の金融系資格を多数保有。専門は株式投資、貴金属投資、年金、相続、不動産。