意地悪なお姑さんの一挙手一投足に、お嫁さんが嫌な思いをする…。嫁姑問題と聞くと、ついついそんな構図を思い浮かべてしまいがち。しかし、中には良かれと思ってやったことがアダになっているということもあるようです。

今回は、美容室にやってきたある女性の話から、嫁姑問題を少し考えてみましょう。

Kさんの悩みは「次男の嫁が頼ってくれない。」

30代のSさんは、とある住宅街で美容室を経営しています。今日は、初めて訪れたKさんという60~70代の女性のお客様のカットをすることになりました。Kさんはおしゃべりが好きな方らしく、Sさんが置いた雑誌には目もくれず、自分のことを話し出しました。「あなたおいくつ?30代?じゃあうちの嫁たちと同じくらいね。いや、次男の嫁がね、なかなか打ち解けてくれなくて、気にしているのよ。聞いてくれる?」

Kさんには、2人の息子さんがいました。長男は結婚が20歳と早く、長男嫁は10代の若さでKさんの家にやってきました。若くて順応性もあったのか、長男嫁はKさんとすぐに仲良くなり、今でも「お義母さん、お義母さん」と、なにかと頼ってくれます。一方の次男が結婚したのは30歳手前。結婚当時は転勤族でしたが、2人目の子どもが産まれたのを機にKさん宅のそばに住むようになりました。

次男の引っ越しが決まった時、Kさんは、3歳と0歳のかわいい盛りの孫が近くに住むということで、再び孫の世話ができると張り切りました。というのも小さい頃によく面倒を見てあげた長男家の子どもたちは、もう高校生。たまに顔を見せてはくれますが、学校やら遊びやらが忙しいのでしょう。最近は孫のために何かしてあげるという機会も減って、Kさんは少し寂しい気持ちになっていたところだったからです。それに次男嫁は、実家が遠方。「実親に頼れないぶん、私が助けてあげなくちゃ」という気持ちもありました。