今あるものに集中すれば、実は何かを変える必要などあまりないことに気付くはずだ。変えるべきタイミングが来たら、自然に変わっていくものだ。

こういう心構えでいると、モチベーションを上げようとわざわざ思わなくても、より良い未来が勝手に近付いてきてくれる。今この瞬間を味わうこと、自分の好きなように目の前のことをやり尽くすことに専念していれば、得られる気付きの視点はどんどん高くなり、それにともなって必要な変化も自然に訪れるようになる。

計画を立てすぎない

ライチャス・ベイブ・レコードというインディーズ・レーベルを立ち上げたのは、アーニー・ディフランコという非常にバイタリティ溢れる女性だ。

CDの総売上は150万枚を超え、コンサートチケットの売上も400万ドル余りにものぼる。さらには、自身にまつわる各種の活動(TシャツやCD、ポスターの制作等)を地元の雇用と結びつけ、故郷の町を潤すのに大きく貢献している。その間、メジャーなレーベルからの莫大な契約オファーをずっと断り続けているのだ。ニューヨーク・タイムズ紙で彼女についての記事を見かけて読んだのがきっかけで、私はアーニーのことを知った。

記事の中で、アーニーが記者に語っていた。「いろんな人から、『次のプランは?』って聞かれるんだけど、計画なんて一度も立てたことないの。ただ、何かを常に追いかけていて──そう、例えるなら全力疾走する大きな馬を追ってるみたいな感じ」