JUUL社は2018年、既に自主的にいくつかの人気フルーツ風味のポッドを販売中止にしましたが、中高生使用者の多くはすぐに販売継続されているミント風味に乗り換えました。
それを考えれば、ミント風味からメンソールに乗り換えることは簡単なことではないでしょうか。また、前述した「オープンタンク式」に乗り換えることもできます。
中高生から電子タバコを遠ざけるには、こんな隙だらけの措置では効果が期待できないのは明らかです。
更に問題なのは、ブラック・マーケットで出回っている「偽造THCベイプ」です。THCベイプとは大麻に含まれるTHCという化学物質のリキッドを使用したモノです。
偽造THCリキッドには正体不明の不純物が混合されていて、その中でもTHCを増量するために使われている「ビタミンEアセテート」は多数の重篤な肺疾患患者や死者を出した最たる原因だろうといわれていいます。
違法THCベイプはカートリッジ式になっていて、被害者の多くはパーティや友人を通して入手したということです。パッケージは人気正規品に似せたモノもあるそうです。当然、成分などは明示されておりません。いちいち成分など確認せずに使用してしまうのでしょう。
今後、米政府はこのようなブラック・マーケットを取り締まっていけるのかという懸念も残ります。
イギリスとの違い、米政府のやる気は?
このように、アメリカでは若者への被害が深刻な社会問題になっていますが、イギリスでは若者への影響はそれほど問題にはなっていないようです。
その違いについて、英公衆衛生局の広報担当者は、「イギリスでは電子タバコの広告規制が厳しい」という点を挙げています。若者に最も影響を与えるSNSやテレビでの広告は禁止されているとのこと。また、ニコチン量は20mg/ml以下。米中高生に最も人気があるJUULポッドの59 mg/mlに比べて遥かに少ないことも指摘しています(※2)。