銀行にとっても、融資先の預金口座があることは重要です。融資先の売り上げ代金は銀行の預金口座に振り込まれるので、融資先の売り上げが急減しているような場合には、預金口座をチェックしていれば異変に気付くことができます。

しかし、預金口座がなければ、融資先の急変に気づかずに放置し、決算報告を聞いて始めて気付いて焦ることにもなりかねません。それでは銀行の債権管理が不安ですから。

また、取引先が外国為替取引等々を行う場合にも、銀行預金口座がなければ不便ですから、メインバンクであっても外為取引を依頼してもらえない、といったことにもなりかねません。それでは手数料収入が他行に流れてしまいます。

一般預金客も収益源となり得る存在

一般預金客は、何もしなければ収益源とはなり得ず、コスト要因ですが、彼等が預金窓口を訪れる機会に投信や保険を勧めることができるのであれば、販売促進ツールとしては有益でしょう。

その際、銀行にとって、顧客の預金口座の残高が見れることは、投信や保険を販売するターゲットを探す上で大きなメリットなのです。

場合によっては、遺産や退職金が入金された預金口座を見つけて、銀行の方からアプローチすることもあるでしょう。多額の資金を手にした客は、多額の投資をしてくれるかもしれない有望先であり、その情報を他の金融機関より先に把握することができるというのは、銀行にとって大きなメリットでしょう。

預金客が将来、住宅ローンを借りてくれる可能性にも期待しましょう。住宅ローンを借りたいと思った時に、「まずは預金口座のある銀行に相談してみる」という人も多いでしょうから。