「帰省して喜んでくれるのであればいいんです。でも、うちの親は『都会に行っても相変わらずお前はパッとしない』だの『東京での生活に調子に乗ってロクに貯金もしていないんだろう』なんて顔を見るたびそんなことしかいいません。近所の幼馴染は就職の際、地元に戻ったのですがその子と比べられ『あの子は昔から親孝行だった。お前みたいに親を捨てる子とは大違いだ』なんていわれる始末。
こちらとしては普段から親を十分気にかけているつもりだったのに、親の目にはそんな風に映っていたんだな、と思ったら何かが崩れ落ちてしまって。『もう親の声を聴きたくない』その一心で、正月の帰省をやめてみたんです」
年末年始は仕事が休みの会社に勤めていたSさん。親に嘘をつくのが心苦しく「本当に仕事を休めない会社で働いてみよう」と元旦から仕事があるサービス業に転職しました。両親からは「そんな会社にわざわざ勤めるなんて馬鹿だ」と電話で文句をいわれましたが、両親から浴びせられる言葉から解き放たれ、初めて清々しいお正月を過ごしたそう。
「いきなり親に嘘をつく勇気はありませんでしたが、こうやって仕事を免罪符にして帰省をしないという道もある、と気づけたことでストレスから逃げられるとは思いませんでした。相変わらず親は『次はいつ帰ってくるんだ』といいますが、まだまとめて休みが取れない、とだけ返事をしています。心苦しいことも多いですが、両親の誕生日や父の日・母の日の贈り物は続け『会わないことで自分のメンタルを保つ』ことをしばらくは優先していきたい」と語ってくれました。
親のための婚活、やめました
自営業を営む両親の元、一人っ子として育てられたKさん。子供の頃から自然と「お婿に来て、家業を一緒に継いでくれる人と結婚する」ものだと思い込んで育ったそうです。とはいえ、Kさんが好きになった人が必ずしも次男や三男というわけではありませんでした。Kさんはそのたびに苦しみ、親に交際がバレるたび「長男なの?」「うちを継いでくれる人なんでしょうね?」と追い詰められてきました。