大事なことだとわかっていても面倒だから取り組めない終活

終活がなかなか進まない理由は、やるべきことの多さや物事の煩雑さゆえになかなか重たい腰が上がらないからでしょう。

財産処分を取り決める遺言書は書いたけれど、書く項目が多いエンディングノートは手が付けられないという人も少なくありません。「終活の諸々をすべて一括で任せたい」というニーズは、確実に多くあると予想されます。

また、自分の死や死後を前向きに捉える終活は家族や身寄りがいれば積極的に取り組めますが、単身者はそうもいきません。そうした終活に対する個人レベルの思いやニーズに、大手の信託銀行が向き合うことは終活市場に大きな影響を及ぼしそうです。

国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2025年にはすべての都道府県で単身世帯(単独世帯)が最大の割合を占めるようになると予想されています。とりわけ、世帯主65歳以上の世帯における単身世帯の割合は、2040年には全都道府県で30%以上に。

離別や死別で単身になった人だけでなく、独身者、単身世帯予備軍とも言える子どもがいない夫婦のみ世帯なども含めると、もはや単身者はマイノリティではなくマジョリティにさえなりつつあるのが、日本の現状です。

自然災害や事故、病気など、いつなんどき自分がどうなるかわからない時代。高齢の単身者はもちろん、忙しい働き盛りや育児真っ只中の30代や40代こそ、こうした事務手続きが煩雑ではない一括管理の終活サービスが必要になってくるのかもしれません。

「おひとりさま信託」は2019年12月17日に日本橋営業部、新宿支店、新宿西口支店で先行リリースされ、2020年10月には全店でのリリースを予定しています。

【参考】「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)

秋山 悠紀