成年後見制度はあるけれど・・・

このようなお金のトラブルから高齢者や認知症の人を守り、法的に支援する制度が「成年後見制度」です。家庭裁判所を介して後見人を立てて、本人の代わりに財産を維持管理できるようにする仕組みだと考えるとわかりやすいでしょう。

父親を心配したTさんも1度は成年後見制度を利用しようと考えました。ところが、手続きが複雑なことや、法律専門家を利用すると毎年少なくない費用がかかってくることなどを考えて諦めたといいます。

成年後見制度には2つの種類があり、認知症を発症するなどして十分な判断能力がないとみなされた場合は、裁判所が後見人を選ぶ「法定後見」が利用できます。判断能力に問題がない場合は自分で後見人を選ぶ「任意後見」が使えますが、家庭裁判所が選任した「任意後見監督人」が「任意後見人」の仕事をチェックする場合もあります。