帰省して久しぶりに親の姿を見たときに、「ずいぶん歳を取ったな」と感じた経験のある人も多いのではないでしょうか。親が高齢になるとケガや病気の心配だけでなく、「お金のトラブルに巻き込まれるのではないか」という不安も出てきますよね。

高齢者が巻き込まれるお金のトラブル

70歳の父を持つTさんも親の金銭トラブルを経験しました。父親は一人暮らしをしていて、賃貸アパートを経営しています。近所に住むTさんは頻繁に父親のもとを訪ねていましたが、「まだまだ元気だと思っていた」といいます。

ところが、あるとき父親から「詐欺にあって大金を失ってしまった」と告白されたのです。「お金の管理について、もっとしっかり話し合っておけばよかった」とTさんは後悔しきりです。

高齢者をねらう詐欺の手口は年々巧妙化しており、凶悪なアポ電強盗の被害にあう人も増えています。認知症を発症している場合は、子どもの想像をはるかに超えた大きな被害にあってしまうこともあります。

「親が認知症になったら実家を売って施設に入ってもらおう」と考えている人もいるかもしれませんが、親名義の家を子どもが勝手に売ることはできませんし、認知症になると名義も変えられません。また、認知症が発覚すると銀行口座が凍結されることがあり、子どもでも親のお金を引き出せなくなってしまいます。