巨額の借金がある日本の財政が破綻しない理由と回避策

余談ですが、「財政赤字は後世に負担を残す世代間不公平だ」と言われます。狭い視野で見ればその通りですが、遺産を含めて考えれば、世代間不公平など存在しないのです。

存在するのは、遺産が相続できる子とできない子の「世代内不公平」だけです。だからこそ筆者は相続税の増税を主張しているわけですが。

国債が暴落しても、財政は破綻しない

国債が暴落する可能性はあります。投資家たちが「日本政府は破産するに違いない」と考えて、国債を投げ売りする場合です。そうなったら、日本政府が新たな国債を発行することができず、資金繰りが破綻してしまう、と心配する読者がいるかもしれません。

しかし、その心配は無用です。日本政府が暴落した国債を買い取って償却してしまえば良いのです。

買い取る資金は、外貨準備で持っているドルを売れば手に入ります。日本政府が破産すると皆が思う時には、ドルが値上がりしているでしょうから、ドルが高く売れるはずです。その辺りについては、拙稿『日本政府が破産する瞬間、大逆転が起きる』をご参照いただければ幸いです。

最後に一つだけ弁解です。「財政が絶対に破産しない」とは言えません。南海トラフ大地震と首都直下型地震が同時に起きたら、日本国が破産し、日本政府も破産するでしょう。本稿は、その場合を考慮していないので、あしからず。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
なんだ、そうなのか! 経済入門
老後破産しないためのお金の教科書
経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体
一番わかりやすい日本経済入門
日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由
(雑誌寄稿等)
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