したがって、多くの投資家は日本国債を買うでしょう。そうなれば、日本政府は資金繰りが破綻することがありませんから、破産することもないでしょう。その点については、拙稿『「財政破綻が不安」と言いながら日本国債を買う人がいる。その理由とは?』をご参照いただければ幸いです。

10年経てば、増税が容易になる

消費増が増税されましたが、景気が心配だということで何度も延期された後の増税でしたし、実施される際にも周到な景気対策が採られました。「増税すると景気が悪化して失業が増えてしまうかも」という心配があるので、政府としてはなかなか増税に踏み切れないわけです。

しかし、少子高齢化による労働力不足が今後深刻化していけば、10年後には「景気が良い時は超労働力不足、景気が悪くても少しは労働力不足」という時代になるかもしれません。

そうなれば、「増税して景気が悪化して失業が増えたら困るから増税反対」という論者がいなくなります。政府としては「気楽に」増税できるようになるわけです。もしかすると頻繁に増税が行われ、財政赤字は急激に縮小していくかもしれませんね。

もっとも、筆者は消費増税には反対です。失業が出ないとはいえ、景気に与える影響が大きいですから。

では、家計金融資産に税率1%で61年間にわたって課税する、というのはどうでしょうか。上記のように一度に徴税すると問題でしょうが、これなら可能性がありそうですね。