日本の財政は巨額の借金を抱えているが、破綻することはない、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は説きます。
禁じ手ながら、破綻回避策は多い
日本の財政が絶対に破綻しないと考える理由としては、「最後は政府が日銀から札束を借りてきて国債をすべて償還してしまえば良いから」というものがあります。もっとも、これはハイパーインフレを招く可能性が高いため、禁じ手とされていますから、本稿でもこの選択肢は考えないことにしましょう。
次は、財産税です。家計金融資産は1800兆円あり、政府の借金は1100兆円しかありませんから、家計金融資産に61%の課税をすれば、政府の借金はすべて返済することができます。もっとも、これも暴動や革命が起きそうですし、政治家は金持ちが多いので、そんな法案は通らないでしょう。したがって、この選択肢も本稿では考えないことにしましょう。
それでも財政は破綻しないのだ、ということを以下で示して行きたいと思います。非常識に聞こえる部分もあろうかと思いますが、非常識でも正しいかもしれないわけですから、「どこが間違えているのだろう」と考えながら読んでいただきたいですね。
それで読者の頭の体操に役立てれば幸いですし、読者が「間違っている点が見つからなかったから、塚崎説を支持する」と言ってくれれば、さらに幸いです(笑)。
投資家が国債を買うから日本政府は破産しない
投資家には日本国債を買うインセンティブがあります。日本政府が破産するリスクよりも、日本国債を買わずに外貨を買ってドル安円高で損をするリスクの方が高いからです。