もっとも筆者としては、生きている人に財産課税するよりは、相続税を大増税する方が、痛税感が薄くて済みますし、相続できる人とできない人の不公平が解消できるので、良いと思っています。これについては拙稿『消費税でなく相続税を増税すべき理由。”おひとりさま”の遺産には高率の課税を』をご参照いただければ幸いです。
今ひとつは、全く発想を変えて、固定資産税を増税することで東京一極集中を緩和して、過密過疎の問題を緩和すると共に災害対策にも役立てる、という選択肢ですね。これについては拙稿『消費税より固定資産税の増税を。東京一極集中緩和で災害対策にもなる』をご参照いただければ幸いです。
数千年経てば全ての問題が自然に解決する
それでも政府の借金が消えなかったとしたら、数千年待ちましょう。数千年後には、少子化で人口が減少し、日本人が最後の一人になります。その子は家計金融資産1800兆円を相続し、死んだ時にそれが国庫に入ります。何の問題もなく、全ての問題が解決するわけです。
もちろん、実際に最後の一人になるとは限りませんが、少なくとも理屈上はそれで全てが解決します。ということは、「日本政府の借金は巨額だから、いつか破産するに違いない」という主張は通らない、ということを意味しています。
つまり、「財政は破綻する」と主張する人が、「どういうことが起きたら財政が破綻するのか」を考えなければならない、ということです。