ご存知のとおり、男女ともに初婚年齢は上昇傾向にあります。厚生労働省の「平均初婚年齢」のデータ(平成27年度)によると、平均初婚年齢は夫31.1 歳、妻29.4歳。20代中盤で結婚した女性が、「結婚、早かったんだね!」と声をかけられるような時代に突入しています。
次に、妊娠適齢期について考えてみます。都内で不妊治療・体外受精専門クリニックを3院展開する医療法人 浅田レディースクリニックのホームページにある「妊娠適齢期」によると、「だいたい閉経の10年前から妊娠できなくなる」とあります。もちろん個人差はあるものの、平均的な閉経年齢が51~52歳といわれているので、妊娠の限界は41~42歳ということ。もちろん、突然妊娠できない体になるわけではなく、年々妊娠しづらくなることは明白です。
平均41~42歳が妊娠可能の上限であるのに対し、平均初婚年齢が約30歳…つまり、多くの夫婦は結婚した段階ですでに、子どもを持てるか否かのカウントダウンが始まっている状態に置かれているのです。しかし、この事実は世間にあまり浸透しておらず、「生理があるうちは、いつでも妊娠できる」と考える女性も多いと聞きます。
子作りを理由に妻が仕事を辞めるという選択
筆者の友人A子は、30歳で社内結婚しました。A子は、広告代理店に勤めるキャリアウーマン。結婚当初は積み上げたキャリアを捨てる考えは微塵もなく、子どもを希望しているものの、妊娠してから考えればいいやというラフな人生計画を立てていました。内心、普通に夫婦生活を送っていれば、そのうち妊娠するだろうと思っていたそうです。しかし、結婚から3年経っても妊娠しなかったことで、彼女の考えに変化が起こります。