「平成30年度税制改正大綱」により、2020年1月から税制の改正が行われます。
これは、昨今、フリーランスの増加など働き方の多様化が進む中、働き方によって控除に差がでないようにするための見直しです。また、所得の高い人から低い人への「所得の再分配」を機能させるために、高所得者は増税となるような改正となっています。
税制改正の影響は一時的なものではなく、長期的に積み重なり、家計やライフプランに影響を与えますので、2020年にどのような税制改正が行われるかについて整理していきましょう。
所得税計算の仕組み
まずは、そもそも所得税がどのように計算されるかについてみていきたいと思います。
個人事業主だと、仕事をするために必要な経費を引くことができますが、企業に勤めている給与所得者も同様で、「給与所得控除」という名目で給与収入から差し引くことができます。
給与収入から給与所得控除を差し引いた金額が「所得」で、さらに「所得控除」を差し引いて「課税所得」を出します。「所得控除」は14種類あり、代表的なものが社会保険料控除や配偶者控除・扶養控除などで、誰でも適用できる「基礎控除」もこの所得控除に含まれます。そして課税所得に応じて税金がかかる仕組みとなっています。
収入 ー 給与所得控除 = 所得
所得 ー 所得控除 = 課税所得
課税所得 × 税率 = 所得税額
すなわち、給与所得控除や所得控除の額が増えれば税額は減ることになり、逆に控除額が減れば課税される税金は増えることになります。
2020年税制改正の主なポイント
今回の税制の主な改正点は4つです。
① 給与所得控除の一律10万円の引き下げ
② 基礎控除の一律10万円の引き上げ
③ 所得金額調整控除の創設
④ 配偶者・扶養親族等の合計所得金額要件等の見直し