7. 【証券会社出身の視点】検証:公正証書遺言の手数料は金額の「区分」で決まり、子2人に半分ずつなら遺産3000万円でも5000万円でも約6万5000円
この記事では、2025年10月1日から公正証書遺言をウェブ会議で作れるようになったことと、その3つの要件、必要な機器、作成の流れ、改正後の公証人手数料令による手数料、自筆証書遺言書保管制度との違いをご紹介しました。
記事の手数料は、遺言で財産を受け取る人が等しい額を受け取る場合の目安です。手数料は受け取る人ごとの額で区分が決まるため、遺産が同じでも、分け方を変えると区分が変わることがあります。原本の枚数による加算や、正本・謄本の交付の手数料も別にかかります。
手数料が金額の区分ごとに決まるものは、区分の境目を確かめておくと見通しが立てやすくなります。公正証書遺言の手数料も、子2人に半分ずつなら1人あたり1000万円超3000万円以下の区分に入る限り、遺産3000万円でも5000万円でも約6万5000円で、遺産の額に比例して増えるわけではありません。
確認していただきたい観点を、順に整理します。第一に、遺言に書く財産の種類とおおよその額、受け取る人ごとの額。第二に、ウェブ会議に参加できるパソコンと電子サインの機器、メールアドレスがそろうか。第三に、作成を頼む公証役場がデジタル化した手続きに対応しているか、ウェブ会議での作成が相当と認められそうかです。
作成の方法と手数料の目安が決まると、公証役場に出向くか、ウェブ会議にするか、自筆証書遺言を法務局に預けるかも選びやすくなります。ご家族とどの財産を誰に引き継ぐかを話しておくと、案文づくりも進めやすくなるかもしれませんね。
8. まとめ
2025年10月1日から公正証書の手続きがデジタル化され、公正証書遺言も、申出があり、ほかの嘱託人に異議がなく、公証人が相当と認めれば、ウェブ会議で作成できるようになりました。原本は電子データで作られ、列席者は電子サインをし、公証人が電子署名をして完成します。
手数料は、受け取る人ごとに区分を当てはめて合計し、遺産が1億円以下なら1万3000円が加わります。遺産4200万円を子2人に半分ずつなら約6万5000円です。自筆証書遺言書保管制度は1件3900円で、本人が法務局に出向いて申請します。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の手数料は、遺言に書く財産の評価、受け取る人の数、原本の枚数、作成の場所などによって異なります。ウェブ会議で作成できるか、手続きの詳細は公証役場で、自筆証書遺言書保管制度は法務局(遺言書保管所)でご確認ください。
参考資料
- 法務省「公正証書に係る一連の手続のデジタル化について」
- 日本公証人連合会「公正証書の作成手続がデジタル化されます!」
- 日本公証人連合会「2 遺言」
- 日本公証人連合会「Q7.公正証書遺言の作成手数料は、どれくらいですか?」
- e-Gov法令検索「公証人手数料令」
- 法務省「遺言書保管制度とは?」
- 法務省「遺言者の手続」
- 法務省「手数料」
- 裁判所「遺言書の検認」
- 国税庁「No.4152 相続税の計算」
- 法務省「指定公証人の一覧」
安達 さやか