5. 【証券会社出身の視点】検証:浮いたお金は「残ったら貯める」ではなく「先に分ける」

手元に残ったお金は、どう増やすかより先に、毎月いくらを確実に別にしておけるかを確かめると、貯まり方が見えやすくなります。教育費が終わる時期は、その仕組みを作り直すよい機会です。

家計調査の数字からは、50代後半の世帯は前半の世帯より教育関係費が少なくても、黒字の差はその半分ほどにとどまっていることが分かります。交際費や車の費用など、それぞれは小さな増え方でも、合わせると浮いたお金の一部を吸収します。

そこで、教育関係費として払っていた額のうち、たとえば月約2.9万円を、給料の振込日に別の口座へ移す、積立に回すといった形で先に分けておく方法があります。残ったら貯めるやり方では、浮いた分が生活費になじんでしまいやすいためです。

なお、総務省「家計調査 貯蓄・負債編(2025年)」によると、世帯主が50~59歳の二人以上の世帯の貯蓄現在高の平均は1756万円、負債現在高の平均は743万円です。平均は貯蓄の多い世帯に引き上げられやすく、二人以上の世帯全体でも、平均2059万円に対し、貯蓄保有世帯の中央値は1264万円です。

平均と比べて安心したり焦ったりするより、自分の家計で「教育費のあと」に毎月いくらを分けられるかを数字で決めておくほうが、50代後半の5年間を生かしやすいと思います。

6. まとめ

2025年の家計調査では、二人以上の勤労者世帯の教育関係費は、世帯主が50代後半の世帯のほうが50代前半の世帯より平均で月約2.9万円少なくなっています。一方で黒字の差は月約1.3万円で、5年間に換算すると、すべて貯めた場合との差は約90.9万円です。

浮いたお金を貯蓄に回すか、旅行や住まいの手入れに充てるかは、家計ごとに選べることです。配分に迷うときは、家計全体の収入と支出を一度書き出してみると、決めやすくなるかもしれませんね。

※本記事の試算は、総務省「家計調査」の年齢階級別の平均をもとにした一定の前提に基づく概算です。実際の家計の変化は世帯によって異なりますので、ご自身の収入と支出でご確認ください。

参考資料

安達 さやか