子どもの教育費が終わったら、浮いたお金は自然に貯まっていくのでしょうか。大学の学費や仕送りが終わる50代は、家計に余裕ができたように感じやすい時期です。一方で、その余裕がどこへ向かったのかは、意外と見えにくいものです。
富裕層や法人のお客さまの資産運用のご相談を受けていた経験からお伝えすると、教育費の山を越えたあとのお金の行き先は、50代のうちに早めに確かめておきたいテーマです。ここでは、総務省「家計調査」で、世帯主が50代前半と50代後半の家計を比べます。
教育費が減った分のうち、どれだけが貯蓄に回っているのかを確かめ、浮いたお金を5年間貯めた場合と、黒字の増えた分だけが残る場合の差を試算します。
※数字は、総務省「家計調査 家計収支編(2025年)」の二人以上の世帯のうち勤労者世帯の、世帯主の年齢階級別の1か月平均です。
1. 教育費が終わると浮いたお金はいくら?世帯主が50代後半の教育関係費は、前半より月約2.9万円少ない(二人以上の勤労者世帯)
総務省「家計調査 家計収支編(2025年)」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の教育関係費は、世帯主の年齢で次のように変わります。
- 【世帯主50~54歳】月5万9008円
- 【世帯主55~59歳】月3万428円
- 【世帯主60~64歳】月1万1194円
教育関係費は、授業料や塾の費用(教育)に、学校給食・制服・通学定期・文房具、通学用かばんなどや、大学生などへの仕送り(国内遊学仕送り金)を加えた額です。50代前半と後半の差は月2万8580円、約2.9万円です。
ただし、これは年齢ごとの平均を比べた値で、同じ世帯の変化を追ったものではありません。子どもがいない世帯や、まだ在学中の子がいる世帯も含みます。
2. 浮いたお金は貯蓄に回る?黒字の差は月約1.3万円で、教育関係費の減少分の約47%
同じ統計で、手取り(可処分所得)から消費支出を引いた「黒字」を比べると、増え方は教育関係費の減り方より小さくなります。
- 【黒字・世帯主50~54歳】月18万8816円
- 【黒字・世帯主55~59歳】月20万2246円(50~54歳より月1万3430円、約1.3万円多い)
- 【教育関係費の減少分に対する割合】約47%
残りの約1.5万円の行き先は、主に2つです。1つは手取りの減少で、可処分所得は50~54歳の月57万5000円に対し55~59歳は56万3550円で、月1万1450円少なくなっています。
もう1つは、教育関係費以外の支出です。合計では月約3700円多く、なかでも交際費は月約4300円、自動車等関係費は月約6600円多くなっています。なお、黒字には預貯金の増加のほか、住宅ローンの元金の返済なども含まれます。