4. 部長級の約半数は大学卒、高校卒の部長級は平均勤続24.9年

賃金構造基本統計調査では、部長級の労働者数も学歴別に集計しています。部長級の学歴の構成と、年齢・勤続年数を確認します。

4.1 部長級の労働者数に占める大学卒は51.5%、高校卒は21.6%

部長級の労働者数(推計)を学歴別に見ると、大学卒が51.5%と約半数を占めました。高校卒は21.6%、大学院卒は6.6%です。割合は、学歴が不明な人も含めた部長級全体の労働者数に対する値です。

4.2 高校卒の部長級は平均54.4歳・勤続24.9年、大学卒は53.0歳・21.8年

部長級の平均年齢は、高校卒が54.4歳、大学卒が53.0歳、大学院卒が51.8歳でした。平均勤続年数は高校卒が24.9年、大学卒が21.8年、大学院卒が20.2年です。

高校卒の部長級は、大学卒より平均で約3年長く同じ会社に勤めています。

5. 学歴別に部長級の年収の目安を試算する、大学卒は1105万5400円

賃金構造基本統計調査には、所定内給与額のほかに「年間賞与その他特別給与額」があります。この2つを使って、部長級の年収の目安を学歴別に試算します。

5.1 所定内給与額の12か月分に年間賞与その他特別給与額を足す

試算は「所定内給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で行います。所定内給与額は令和7年6月分、年間賞与その他特別給与額は原則として令和6年1月から12月までの1年間の額で、時点が違います。残業代も含まないため、実際の年収とは異なります。

部長級の年収の目安(試算)は、大学卒が1105万5400円、高校卒が784万2900円2/2

部長級の所定内給与額の12か月分と年間賞与その他特別給与額を足した年収の目安を、学歴計・高校卒・専門学校卒・高専・短大卒・大学卒・大学院卒別に示した横棒グラフ

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職」を参考にLIMO編集部作成

【部長級の年収の目安(試算)】

  • 学歴計:1007万6200円
  • 高校卒:784万2900円
  • 専門学校卒:788万2800円
  • 高専・短大卒:855万1800円
  • 大学卒:1105万5400円
  • 大学院卒:1448万4900円

5.2 年間賞与その他特別給与額は、大学卒280万1800円・高校卒167万2500円

部長級の年間賞与その他特別給与額は、大学卒が280万1800円、高校卒が167万2500円で、差は112万9300円でした。年収の目安の差321万2500円のうち、3分の1あまりは賞与などの差です。

6. 学歴による差より大きい役職による差、高校卒でも部長級は非役職者より月23万1300円多い

同じ学歴の中で、部長級と非役職者の所定内給与額を比べると、役職による差の大きさがわかります。

役職による給与の差については、LIMOの記事「中間管理職はいくらもらっている?【年収一覧表】部長と課長、係長の年収はいくらか。プレイングマネージャーは9割「マネジメントにさける時間」を民間企業等と行政・自治体別にみる」でも、学歴計の数字で比べています。

月額でみると、部長の賃金は非役職者のおよそ2.05倍、課長は約1.7倍、係長は約1.29倍です。

出所:中間管理職はいくらもらっている?【年収一覧表】部長と課長、係長の年収はいくらか。プレイングマネージャーは9割「マネジメントにさける時間」を民間企業等と行政・自治体別にみる

6.1 高校卒の部長級と非役職者の差は23万1300円、大学卒では34万5300円

高校卒では、部長級51万4200円と非役職者28万2900円の差が23万1300円でした。大学卒では、部長級68万7800円と非役職者34万2500円の差が34万5300円です。

高校卒の部長級と非役職者の差23万1300円は、部長級の大学卒と高校卒の差17万3600円より大きくなっています。

6.2 昇進で増えた月給は、増えた分の一部を先に積み立てに回す

元証券会社社員として資産形成を見てきた立場からいうと、昇進で月給が増えたときは、生活費が増える前に増えた分の一部を自動の積み立てに回しておくのも一つです。NISAのつみたて投資枠などを使えば、毎月決まった額を手間をかけずに続けられます。

増えた分をすべて生活費に回すと、住居や保険、通信などの固定費が上がり、年収が増えても手元に残りにくくなります。ただし、投資ですので、損をする可能性もあります。預貯金で積み立てるのも一つでしょう。

7. まとめ

令和7年賃金構造基本統計調査によると、部長級の所定内給与額は大学卒が月68万7800円、高校卒が月51万4200円で、差は17万3600円でした。大学卒と高校卒の差は課長級で11万9600円、係長級で4万3700円です。

一方で、高校卒でも部長級は非役職者より月23万1300円多く、役職による差は学歴による差より大きくなっています。自分の給与明細と同じ役職・学歴の数字を並べ、増えた分の使い道を決めておくと、昇進後の家計を整えやすくなります。

参考資料

宮野 茉莉子