3. 社会保険の加入要件を会社の規模別に整理
勤務先の規模によって、社会保険の加入対象はどう変わっていくのか、整理していきます。
2026年10月時点で厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等では、週20時間以上などの要件を満たす短時間労働者が、健康保険・厚生年金保険の加入対象です。
例として、法人全体の厚生年金保険の被保険者数が60人で、週22時間勤務する人について考えてみましょう。この場合、学生でなく、2ヶ月以上継続して雇用される見込みがある場合は、社会保険の加入対象になります。
一方、同じ週22時間勤務でも、勤務先の厚生年金保険の被保険者数が40人なら、2026年10月時点では企業規模要件を満たさないため、社会保険の加入対象にはなりません。今後、企業規模要件がさらに緩和されていけば、加入対象になる可能性はあるでしょう。
このように、同じ勤務時間でも会社の規模や時期によって、社会保険の加入判定は変わるのです。
会社の規模は、自分だけではなかなか確認できません。勤務先に、企業規模の要件も含めて社会保険の加入対象となるのかどうか確かめてみましょう。
次章では、新しい基準で確かめたいポイントを解説します。
4. 【FP視点】勤務時間・会社規模・雇用契約をチェック
これまで「年収106万円を超えるか」を意識して、働く時間を調整していた人もいるのではないでしょうか。しかし、10月から社会保険の加入要件において「収入額」はさほど重要ではなくなりました。
今後確認すべきポイントは、勤務時間・会社規模・雇用契約の3つです。
- 週の所定労働時間が20時間以上あるか
- 勤務先が企業規模の要件を満たすのか
- 2ヶ月を超えて働く予定か
労働時間はタイムカードや勤怠管理システムで、雇用期間は雇用契約書で確かめられます。企業規模要件は、会社の担当者に聞くのが望ましいです。
社会保険に加入すると健康保険料や厚生年金保険料を負担するため、給与の手取り額は減る可能性があります。一方、厚生年金へ加入すれば、将来受け取る年金額が増えます。要件を満たした場合は、傷病手当金や出産手当金など健康保険の給付を受けられることもあるでしょう。
「保険料がかかるから」という理由だけで勤務時間を減らすのではなく、社会保険料を差し引いた手取りや公的保障の内容を確かめ、家計や生活においてどの働き方がもっとも適しているか、考えてみましょう。
5. まとめ
2026年10月から106万円の壁は撤廃され、今後は企業規模や週の労働時間などが、社会保険の加入判定において重要になります。企業規模は今後も継続的に緩和される予定となっているため、さらに多くの人が社会保険の加入対象となるでしょう。
「被保険者数51人」という人数は、単純な会社の在籍人数とは限りません。法人の場合は法人全体の厚生年金保険の被保険者数などをもとに判定します。そのため、会社が要件を満たすのか確かめる必要があります。
パートやアルバイトの人は、現在の勤務時間や雇用契約に加え、自分の勤務先がいつ適用対象となるのかも確認しておきましょう。
参考資料
石上 ユウキ