4. 60歳以後に退職すると退職手当は定年退職と同じ扱いになる
定年前再任用短時間勤務を選ぶと、常勤職員としてはいったん退職します。そのときの退職手当の扱いを確認しておきます。
4.1 「定年」を理由とする退職と同じように算定される
人事院は、60歳に達した日以後に定年前の退職を選んだ職員が不利にならないよう、当分の間、定年を理由とする退職と同様に退職手当を算定するとしています。
7割措置や役職定年で俸給月額が下がった場合も、下がる前の俸給月額を考えて計算する「ピーク時特例」が適用されます。
4.2 再任用されたあとの期間に退職手当は出ない
一方で、人事院の案内では、定年前再任用短時間勤務職員には退職手当は支給されません。退職手当を受け取るのは、常勤職員として退職したときの1回です。
5. 定年前再任用の勤務時間で、健康保険と年金の加入先が変わる
短時間勤務を選ぶときは、勤務時間によって加入する健康保険と年金も変わります。人事院の案内をもとに整理しました。
5.1 フルタイムの4分の3以上なら共済組合
週の勤務時間と月の勤務日数がフルタイムの4分の3以上の職員は、医療保険は共済組合、年金は厚生年金保険に加入します。週31時間で勤務する場合は、この4分の3の基準を満たします。
5.2 勤務時間が短いと国民健康保険か任意継続になることも
4分の3の基準を満たさず、勤務時間が週20時間以上などの条件にもあたらない職員は、医療保険は国民健康保険か共済の任意継続組合員になります。週15時間30分の勤務なら、この扱いになります。
国民健康保険の保険料は前年の所得をもとに計算されます。常勤で働いていた頃の給料が保険料に反映されるため、短時間勤務に切り替えてしばらくは保険料が重く感じられることがあります。
5.3 勤務時間を決める前に見積もりを取っておく
国民健康保険料はお住まいの市区町村で、任意継続の掛金は加入している共済組合で試算してもらえます。俸給の額とあわせて比べてから勤務時間を決めると、手取りの見通しが立てやすくなります。
定年前再任用で働けるかどうかは選考によって決まるため、希望する勤務時間とあわせて勤務先の人事担当にも早めに相談しておきましょう。
6. まとめ
国家公務員の定年は2026年度に62歳となり、60歳以降は常勤で残るか、短時間勤務で再任用されるか、退職するかを選びます。常勤で残ると俸給は7割水準になり、6級73号俸の例では42万7000円が29万8900円になります。
定年前再任用短時間勤務の俸給は、基準俸給月額に勤務時間の割合を掛けた額です。6級なら週31時間で26万5520円、週15時間30分で13万2760円で、期末・勤勉手当は年2.41月分です。
勤務時間によっては、健康保険が共済組合から国民健康保険や任意継続に変わることもあります。俸給と保険料の両方を見積もり、勤務先の人事担当や共済組合、市区町村の窓口で確かめてから決めると安心です。
参考資料
- 人事院「定年・役職定年・再任用」
- 人事院「定年前再任用短時間勤務制度」
- 人事院給与局・内閣官房内閣人事局「国家公務員の60歳以降の働き方について(概要)」
- 人事院「令和6年度定年前再任用実施状況(給与法適用職員)」
- e-Gov法令検索「一般職の職員の給与に関する法律」
太田 彩子