人事院は2026年9月4日、「令和8年国家公務員給与等実態調査」の結果を公表しました。この資料は令和8年4月1日現在の人員と給与の実態をまとめたものです。

  • 国家公務員の給料はどのくらいの水準なのか
  • 役職が上がるといくら変わるのか

など、気になっている方も多いでしょう。

この記事では、国家公務員のうち「行政職俸給表(一)の級別平均俸給額」を、役職の目安と合わせて見ていきます。

1. 国家公務員の行政職俸給表(一)、平均給与月額は42万8451円

国家公務員の給与は、職種ごとに分かれた俸給表にもとづいて決まります。事務や技術の職員に適用されるのが行政職俸給表(一)です。

1.1 行政職俸給表(一)は13万9564人に適用されている

令和8年4月1日現在、行政職俸給表(一)が適用されている職員は13万9564人でした。平均年齢は41.7歳です。

この職員の平均給与月額は42万8451円でした。内訳は次のとおりです。

  • 俸給34万2178円
  • 地域手当等4万5912円
  • 俸給の特別調整額1万2583円
  • 扶養手当7841円
  • 住居手当8190円
  • その他1万1747円

1.2 平均給与月額と俸給は別のものとして見る

ここで押さえておきたいのが、平均給与月額と俸給の違いです。平均給与月額には諸手当が含まれていますが、俸給は手当を含まない本給にあたります。

以下で見ていく級別の額は、手当を含まない俸給のほうです。給与全体の水準と混ぜないようにしたいところです。

2. 級が上がるほど俸給も上がるしくみ

行政職俸給表(一)は、職務の級で1級から10級までの10段階に分かれています。級が上がるほど俸給も上がるしくみです。

2.1 どの級がどの役職にあたるか

職務の級と役職の対応は、人事院規則九―八の別表第一「級別標準職務表」に定められています。この表は令和8年4月1日から施行されているものです。

たとえば5級は本省の課長補佐の職務、7級は本省の室長の職務、9級は本省の重要な業務を所掌する課の長の職務とされています。

職務の級ごとに標準的な職務と平均俸給額、管理職手当が定められている1/2

行政職俸給表(一)の1級から10級について、級別標準職務表に定められた標準的な職務、級別平均俸給額、俸給の特別調整額を並べた一覧表

出所:人事院「令和8年国家公務員給与等実態調査報告書」および人事院規則九―八、人事院規則九―一七を参考にLIMO編集部作成

2.2 級別平均俸給額を1級から10級まで並べる

令和8年4月1日現在の級別平均俸給額は、次のとおりです。

  • 1級(定型的な業務を行う職務):23万6571円
  • 2級(主任の職務など):26万6421円
  • 3級(本省の係長の職務など):31万4877円
  • 4級(本省の困難な業務を分掌する係の長の職務など):37万7503円
  • 5級(本省の課長補佐の職務など):40万269円
  • 6級(本省の困難な業務を処理する課長補佐の職務など):41万8667円
  • 7級(本省の室長の職務など):44万9430円
  • 8級(本省の困難な業務を所掌する室の長の職務など):49万247円
  • 9級(本省の重要な業務を所掌する課の長の職務など):54万7182円
  • 10級(本省の特に重要な業務を所掌する課の長の職務など):58万8675円

括弧内は級別標準職務表に挙げられた職務のうち、本省に関するものを抜き出したものです。実際の表には管区機関や府県単位機関、地方出先機関の職務も並んでいます。

3. 1級と10級の俸給額の差は月35万2104円

いちばん下の1級といちばん上の10級を並べると、差がはっきりします。

3.1 10級は1級のおよそ2.5倍になる

1級の23万6571円に対して、10級は58万8675円です。差は月35万2104円で、およそ2.5倍の開きがあります。

なお行政職俸給表(一)の上には指定職俸給表があり、こちらの平均俸給額は90万6596円でした。局長級や審議官級などが対象です。

4. 国家公務員の管理職には俸給の特別調整額が上乗せされる

級別平均俸給額は本給だけの数字です。管理職にはこれとは別に、管理職手当にあたる俸給の特別調整額が支給されます。

4.1 対象は4級から10級で、区分は一種から五種に分かれる

額を定めているのは、人事院規則九―一七の別表第二です。行政職俸給表(一)では4級から10級までの7つの級が対象で、級のなかで一種から五種の区分に分かれています。

級と区分の組み合わせごとの月額は、次のとおりです。

  • 10級 一種:13万9300円
  • 9級 一種:13万300円
  • 9級 二種:10万4200円
  • 8級 一種:11万7500円
  • 8級 二種:9万4000円
  • 8級 三種:8万2200円
  • 7級 二種:8万8500円
  • 7級 三種:7万7400円
  • 7級 四種:6万6400円
  • 6級 三種:7万2700円
  • 6級 四種:6万2300円
  • 6級 五種:5万1900円
  • 5級 四種:5万9500円
  • 5級 五種:4万9600円
  • 4級 四種:5万5500円
  • 4級 五種:4万6300円

いちばん高いのは10級の一種で13万9300円、いちばん低いのは4級の五種で4万6300円です。その差は9万3000円になります。

4.2 本省の課長級の月給を試算する

9級の平均俸給額54万7182円に、9級一種の俸給の特別調整額13万300円を足すと67万7482円です。10級では58万8675円と13万9300円で、72万7975円になります。

ただしこれは平均俸給額に定額の手当を足した目安です。地域手当や扶養手当などは含んでいませんので、実際の給与月額とは別のものとして見てください。

太田 彩子

筆者が元自治体職員として給与を受け取っていた頃も、給料は職務の級と号給の組み合わせで決まっていました。国と地方で表そのものは違いますが、級が給与の土台になる点は共通しています。