5. 俸給の特別調整額を受けているのは行政職俸給表(一)の17.7%にとどまる

ここまで級ごとの手当額を見てきましたが、実際に受け取っている人はどのくらいいるのでしょうか。実態調査の第12表に人員が載っています。

5.1 支給を受けているのは2万4727人だった

行政職俸給表(一)の13万9564人のうち、俸給の特別調整額の支給を受けているのは2万4727人でした。全体の17.7%にあたります。

支給区分別に見ると四種がいちばん多い2/2

行政職俸給表(一)の適用者13万9564人について、俸給の特別調整額の支給区分別の人員と構成比を並べた表

出所:人事院「令和8年国家公務員給与等実態調査報告書」第12表を参考にLIMO編集部作成

支給区分別の人員は次のとおりです。

  • 一種:2606人(1.9%)
  • 二種:3072人(2.2%)
  • 三種:4100人(2.9%)
  • 四種:1万676人(7.6%)
  • 五種:4273人(3.1%)
  • 非適用官職:11万4837人(82.3%)

いちばん多いのは四種の1万676人で、額がいちばん高い一種は2606人にとどまります。

6. 級が上がると給与の決まり方そのものが変わる

数字を並べてみると、4級を境に給与の組み立てが変わっていることが分かります。

6.1 級が上がっただけでは手当は付かない

気をつけたいのは、4級以上になれば自動的に俸給の特別調整額が支給されるわけではないという点です。

一般職の職員の給与に関する法律の第10条の2では、人事院が「管理又は監督の地位にある職員の官職のうち人事院規則で指定するもの」について特別調整額表を定めることができるとしています。

つまり対象は、人事院規則で指定された官職に就いている人に限られます。支給を受けているのが17.7%にとどまるのは、このためです。

同じ条文では、特別調整額はその職務の級における最高の号俸の俸給月額の100分の25を超えてはならないとも定めています。上限が法律で決まっているしくみです。

6.2 内訳に出てくる1万2583円は全職員で割った平均になる

冒頭で挙げた平均給与月額の内訳に、俸給の特別調整額1万2583円という数字がありました。これは受け取っている人の平均額ではありません。

支給されていない人も含めた全職員で割った額なので、実際に受け取っている人の額はもっと高くなります。表の数字を読むときは、分母が何かを確かめておくと誤解が減らせます。

元自治体職員として自分の給与を見ていた頃も、手当の欄は人によってまったく違っていました。平均の数字だけでは、一人ひとりの実態までは見えてこないものです。

7. まとめ

行政職俸給表(一)の級別平均俸給額は、1級の23万6571円から10級の58万8675円まで10段階に分かれていました。差は月35万2104円です。

4級から10級には俸給の特別調整額が加わり、いちばん高い10級の一種で13万9300円、いちばん低い4級の五種で4万6300円でした。ただし支給の対象は人事院規則で指定された官職に限られます。

公務員の給与は、どの俸給表のどの級かで組み立てが決まります。数字を見かけたときは、それが俸給なのか給与月額なのかを確かめるところから始めてみませんか。

参考資料

太田 彩子