4. 再就職後に給与が下がったら「就業促進定着手当」も確認したい

再就職手当を受け取った後も、確認しておきたい給付があります。再就職先の賃金が離職前より下がった場合に支給される「就業促進定着手当」です。

4.1 支給額は「賃金の低下分×支払基礎日数」

就業促進定着手当の支給額は、離職前の賃金日額から、再就職後6か月間の賃金の1日分の額を差し引き、その6か月間の賃金の支払基礎となった日数を掛けて計算します。

つまり、再就職によって1日あたりの賃金が下がった分を、6か月分まとめて補う仕組みです。

4.2 令和7年4月から上限は支給残日数の20%相当に

就業促進定着手当には上限額があり、「基本手当日額×再就職手当の支給を受ける前の支給残日数×20%」が上限です。

以前は支給残日数の40%相当(再就職手当の給付率が70%だった場合は30%相当)でしたが、令和7年4月1日施行の制度改正で20%相当に一本化されました。

たとえば、基本手当日額6000円で支給残日数80日を残して再就職した人の場合、上限は6000円×80日×20%=9万6000円となります。

4.3 申請は再就職から6か月が経過した後

就業促進定着手当は、再就職手当と同時には申請できません。原則として、再就職した日から6か月が経過した日の翌日から2か月の間に、ハローワークへ申請します。

6か月後のことなので忘れやすい手続きです。再就職手当の支給が決まった段階で、申請できる時期を手帳やカレンダーに書き込んでおくとよいでしょう。

5. 再就職手当の申請前に確認しておきたい3つのこと

支給要件を満たしていても、手続きのタイミングや就職の決め方によっては、受け取れなくなる場合があります。申請前に次の3点を確認しておきましょう。

5.1 申請期限は就職日の翌日から原則1か月以内

再就職手当の支給申請書は、原則として就職した日の翌日から1か月以内に、受給手続きをしたハローワークへ提出します。本人が出向くほか、代理人や郵送による提出も案内されています。

申請書には再就職先の事業主による証明欄があるため、入社後の慌ただしい時期でも早めに記入を依頼しておくと安心です。

5.2 待期期間中や給付制限中の就職は決め方に注意

受給資格の決定後、最初の7日間は待期期間と呼ばれ、この期間中に就職すると再就職手当の対象になりません。

また、自己都合退職などで給付制限を受けている人は、待期満了後1か月の間に就職する場合、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介を通じた就職であることが条件です。知人の紹介や求人サイトから直接応募して就職した場合は対象外となる可能性があるため、事前にハローワークへ確認しておきたいです。

5.3 手当の額だけで就職のタイミングを決めない

「基本手当を最後まで受け取ったほうが得か」は、多くの人が気になるポイントだと思います。所定給付日数90日・基本手当日額5000円のケースで比べてみます。

  • 基本手当を90日分すべて受け取る場合:90日×5000円=45万円
  • 支給残日数60日で就職する場合:基本手当30日分15万円+再就職手当21万円=36万円(このほか就職後の給与を受け取れる)

雇用保険の給付だけを比べると差はありますが、早く就職した場合はその間の給与が入り、厚生年金の加入期間も伸びます。手当の額だけでなく、希望に合う求人かどうかを軸に就職のタイミングを考えておきたいです。

6. まとめ

再就職手当は、支給残日数を3分の1以上残して安定した職業に就いた人が受け取れる給付です。令和8年8月1日からは、計算に使う基本手当日額の上限が60歳未満で6745円、60歳以上65歳未満で5454円に引き上げられました。

支給額は就職のタイミングで大きく変わるうえ、申請期限や就職の経路といった条件もあります。さらに、再就職後に賃金が下がった場合は、6か月後に就業促進定着手当を申請できる可能性もあります。

まずは雇用保険受給資格者証で所定給付日数と基本手当日額を確認し、就職が決まりそうな段階で、受給手続きをしたハローワークに支給の見込みを相談してみてはいかがでしょうか。

参考資料

和田 直子